コインパーキング投資

コインパーキング投資はもうかる?月極との利回りを比較

コインパーキング経営は誰でも開業できますが、初期投資が多くかかることを懸念して参入するのを戸惑ってしまう方が多い事業形態です。

しかしマンションやアパート経営と比較すると、初期投資が少なく継続した管理やメンテナンスの必要もあまりありません。

ですが、昨今はそういったメリットを目的に、空き家などを壊した跡地に再度住居を建てず駐車場に変える不動産オーナーも少なくないため、競合が増えやすく価格競争が激化する可能性があります。近隣に参入者が増え、料金が安い競合のコインパーキングが開業すると売上が減少してしまうリスクもあるでしょう。

また、駐車場投資にはコインパーキングのほかに、月極駐車場という形態もあります。月極駐車場は継続的に安定した収益を獲得できるように思えますが、コインパーキングと比較してどちらが安定した収益を上げることが出来るのでしょうか。

この記事では、コインパーキング経営の基礎知識や月極駐車場との違い、初期投資の相場など、コインパーキング経営に参入する前に必ず知っておいた方が良いことについて解説していきます。

ぜひ、最後までご覧ください。

コインパーキング投資とは?

コインパーキング 投資

コインパーキング経営とは、時間貸しの駐車場を開業して利用者が支払った駐車料金から収入を得る仕組みです。基本的には24時間無人で経営しているところが多く、屋内式・屋外式があります。

駐車できる台数は、土地の広さにもよりますが数台~数十台程度がほとんどです。屋外式コインパーキングでは、10台程度の場合はロック式、20台以上の場合はゲート式などで車を管理しているところが多いです。

コインパーキング経営した際の管理方式は、「一括借上方式」・「共同運営方式」の2つの方式が主流です。

一括借上方式

一括借上方式とは、運営会社が土地を一括で借上げてオーナーには駐車場の売上額にかかわらず毎月一定の賃料を支払う仕組みです。また、駐車場経営に必要な代金精算をする機械などは運営会社が費用負担し、清掃・メンテナンスなどもオーナーに代わって行います。

オーナーは、管理会社とどのような契約をするかにもよりますが、場合によっては建築物の解体やアスファルト舗装などの費用を負担することもあります。

共同運営方式

共同運営方式とは、オーナーと運営会社が文字通り共同で管理運営をします。契約であらかじめ定めておいた利率割合によって利益を双方に分配して受け取る仕組みです。共同運営方式で駐車場経営する場合は、数年の契約期間を定めてオープンするところが多いようです。

契約期間満了になった際はそのまま終了することも可能ですし、運営会社とオーナーが再度話し合い、契約を継続することもできます。

ただし共同で運営しているため、コインパーキング経営に必要な機械の導入に関してや、契約期間満了前に辞めたい時などにどうするのかという内容を、予め契約条件として細かく取り決める必要があります。

様々な条件を考える必要があるため大変ですが、契約内容をしっかり読んでご自身に不利な条項が盛り込まれていないことをしっかりと確認しておくようにしましょう。

月極駐車場の経営方法は?

コインパーキング 投資

月極駐車場とは、個人や法人と契約を締結し月額固定で賃料を回収する方法です。利用者や収益が固定されるため、利用者同士のトラブルなどの不安が少なく比較的安定的に経営が出来ると言えるでしょう。

しかし、月極駐車場の経営は利用者が集まらなければ収入に結びつかず、なるべく長期的に契約してくれる利用者をどの様に集めるかというのが肝になります。月極駐車場の経営をした際の管理方式は、「自己経営」・「管理委託方式」・「一括借上方式」などが主流となっています。

自己経営

月極駐車場を自己経営する場合、利用者の募集・契約の締結・賃料回収までのすべてを自分で行う必要があります。

例えば、利用者間でトラブルが起きた際も仲介者がいないので、自己で早急に対応しなければいけません。

駐車場経営の収入がそのまま利益に直結するという魅力がありますが、その反面収益を得るまでの労力及び時間的コストが必要となり、副業的に行うのは少し難しいかもしれません。また、駐車場利用者を確保出来なかった場合、想定していた収益を得ることが出来なくなってしまうため、ダイレクトで自身の損失に繋がります。

管理委託方式

管理委託方式は、駐車場の利用者募集・賃料回収・契約の締結などの業務を管理会社に委託する方法です。駐車場経営のプロに任せられるため、駐車場を管理する時間や手間を削減できます。

ですが、委託費用として賃料の数%を支払う必要があります。

委託費用の相場は賃料収入額の5〜10%と言われていますが、管理委託契約前にしっかりとサービス内容及び委託費用について確認を行いましょう。

委託費用が安い業者もある様ですが、対応が遅かったり、利用者とのトラブルがあった場合には関与しないなどの文言が入った契約内容になっていることがあるので委託業者の選定はしっかりと行うことが大切です。

一括借上方式

一括借上方式とは、運営会社が土地を一括で借上げてオーナーには駐車場の売上額に関わらず毎月一定の賃料を支払っています。

なお、管理会社とどのような契約をするかにもよりますが、場合によってはオーナーは建築物の解体費用やアスファルト舗装費用を負担することがあります。

コインパーキング投資は儲かるのか

では、コインパーキングに投資をした場合「本当に儲かるのか」というのがここまで読んでくださっている方の疑問点だと思います。

コインパーキングや月極駐車場の経営をするにあっては、初期投資に多額の資金が必要なため、単年での利益は見込めません。ですが、「何年で初期投資費用を回収できるのか」という事をポイントに利回り計算を行い、投資額をペイした後に年間どのくらいの収益を見込めるのかということも大切な観点になります。

投資額に対して1年間の収益がどのくらいの割合になるかを示したものを「利回り」といい、「表面利回り」と「実質利回り」という2つの代表的な計算式があります。

表面利回りは、単純に年間収入額の投資額に対する割合であり、実質利回りは、年間収入額から支出額を差し引いた所得額に対する投資の割合です。

ですので、ざっくりとした割合が知りたい場合は表面利回り額で良いのですが、実質利回りの方が、支出額を売上額から差し引いた金額で計算しているため、より実態に即した数字を知ることが投資を考える上で重要な事項です。

表面利回り = 満車時の年間収入額 ÷ (土地の取得額 + 初期投資額)× 100

実質利回り = (満車時の年間収入額 − 諸経費) ÷ (土地の取得額 + 初期投資額)× 100

※諸費用は、固定資産税や都市計画税、光熱費、設備メンテナンス費用が当てはまります。

しかし、どれほど好立地・好条件であっても24時間365日全ての駐車スペースが稼働するということは考えにくいものです。

コインパーキング投資前に利回りを計算する際に少し厳しめに計算して考えたいという方は稼働率(駐車場を使用している割合)を50%として考えてみても良いかもしれませんね。

–-稼働率50%の利回り計算—

表面利回り = 満車時の年間収入額 × 50% ÷ (土地の取得額 + 初期投資額)× 100

実質利回り = (満車時の年間収入額 × 50% − 諸経費) ÷ (土地の取得額 + 初期投資額)× 100

もし、参入予定地が複数ある場合には、利回りの数値を参照してどこに参入すべきかということも考える事も出来るでしょう。

予想収入額

概算売上額は、「駐車台数」「1時間の駐車単価」「稼働率(平均稼働率)」がわかれば計算して算出することが可能ですが、稼働率を稼働前から算出することは難しいため、周辺の月極駐車場の料金から大まかに計算するのが1番手軽に出来る方法です。

おおよそ 月極駐車場の1ヶ月分の売上 = コインパーキング駐車場の半月分の売上金額に相当すると言われています。

このことより、月極駐車場の2ヶ月分の売上金額が、コインパーキングの1ヶ月分として考えられるでしょう。

初期投資

①コインパーキング

コインパーキング経営する場合、以下のような初期投資が必要になることが多いです。

  • アスファルト舗装費用:4,000~6,000円/㎡
  • 車止めの設置費用:4,000円/台
  • フラット板設置費用:10万円/台
  • 精算機設置費用:40~50万円
  • 照明設置費用:60~70万円
  • 監視カメラ設置費用:5万円/台
  • 土地購入費用

コインパーキング経営の初期投資内容や金額は、立地条件や設置工事を依頼する業者によっても、必要な機械の数や舗装費用が異なってくるため変動があります。

仮に88.4㎡の土地に4台分のロック式コインパーキングを作った場合として計算してみたところ、土地購入費用を除いた分だけで約200万円ほどが必要な計算になりました。

この他に土地購入が必要な場合はその資金や、ランニングコストとして精算機や照明、監視カメラを使用するための電気代、固定資産税の費用が必要になります。

  1. アスファルト舗装 88.4×5,000円 = 442,000円
  2. 車止め+フラット板 416,000円
  3. 精算機+照明 1,100,000円
  4. 監視カメラ(2台) 100,000円

しかし、一括借上げ方式で運営する場合は、フラット板や精算機などの費用は管理会社が負担することが多いため、初期投資として土地代やアスファルト舗装費用だけで済むといった場合もあります。

②月極駐車場

続いて月極駐車場の経営の場合は、コインパーキングのように不特定多数へ貸し出さないため精算機やロック板の設置は必要なく、初期投資額が安く済みます。

月極駐車場を経営する場合、以下のような初期投資が必要になることが多いです。

  • アスファルト舗装費用:4,000~6,000円/㎡
  • 未舗装タイプ舗装費用:3,000~4,000円/㎡
  • 照明設置費用:60~70万円
  • 監視カメラ設置費用:5万円/台
  • 土地購入費用

コインパーキングとの違いは、アスファルト舗装をしなくても良いため、舗装費用がより安価になる未舗装タイプの舗装方法を選択することが可能です。

先ほどと同じく4台分(88.4㎡)の土地に月極駐車場(未舗装タイプ)を作った場合として計算してみたところ、土地購入費用を除いた分だけで約100万円ほどが必要な計算になりました。

  1. アスファルト舗装 88.4×3,500円 = 309,400円
  2. 照明 650,000円
  3. 監視カメラ(2台) 100,000円
コインパーキング投資 月極駐車場経営
必要な設備
  • 道路舗装
  • 駐車場機器の設置及び工事費用
  • 管理委託費用
  • 照明設備設置費用
  • 監視カメラ設置費用
  • 管理委託費用
  • 道路舗装
  • 照明設備費用
  • 監視カメラ設置費用
  • 管理委託費用
初期投資費用
(土地購入費用は除く)
        200万円~         100万円~

コインパーキング投資にチャレンジ

日本は1人1台車を持っている家庭が珍しくない車社会のため、様々なタイミングでコインパーキングを利用したことがある人は多いでしょう。

利用者側からみても「ここにコインパーキングがあれば良かったのに。」と思ったことが1度はあるのではないでしょうか。

またそう思ったことがある人がいるということは、投資家の視点から見てもコインパーキングはこれからも稼ぐことができるチャンスが多い業界と言えます。

今回は、コインパーキング投資の基礎知識や初期投資の相場額など、コインパーキング経営に参入する前に知っておいた方が良いことを中心に解説してきました。

特に利回りなどは、実際に具体的な数値で計算しないとただの机上の空論になってしまうこともあるため、事前に信頼のできる不動産事業者へ相談し、より具体的な稼働率で利回りを計算したり、周辺情報を仕入れて本当にこの土地に参入して儲かるのかということをしっかりと検討することが大切です。

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