

有線LANを使用してネットワークやインターネットを使用していると、LANケーブルが足りなくて困っている方もいるのではないでしょうか。
販売されているLANケーブルの長さはさまざまで、2〜3mから長いものでは100mまであります。LANケーブルを交換する方法が手っ取り早いですが、長さには限界があります。
しかし、コネクタやハブを使う方法でもLANケーブルの延長は可能です。
そこで今回は、LANケーブルを延長する方法と、延長する際に使用する機器を選ぶ際の注意点を解説します。
記事の後半では、効率よくLANケーブルを延長し、快適なネットワークを構築する方法も紹介しているので最後までご覧ください。
より効率的にLANケーブルを延長し、快適なネットワーク環境を構築しましょう。
目次
LANケーブルを延長するためには、主に以下の3つの方法があります。
LANケーブルを延長する方法には、それぞれメリットやデメリットがあります。
そのため、現在の状況に合わせた方法を選択しなければなりません。
LANケーブルを延長する方法を詳しく解説します。
最も簡単にLANケーブルを延長する方法は、適した長さのケーブルと交換する方法です。
延長というよりも、新しいLANケーブルを購入し、接続し直します。
新しいLANケーブルと交換するだけなので、誰でも簡単に交換できるメリットがあります。
ただ、長いLANケーブルは価格も高くなりますし、カテゴリーに注意して購入しないと通信速度が遅くなってしまう可能性があります。
LANケーブルを延長できる最大の長さは100mといわれているので、それ以上の長さに延長したい時には、延長コネクタやハブを使用する必要があるでしょう。
延長コネクタは、短いLANケーブル同士を繋ぎ合わせるための機器です。
前後にLANケーブルの挿入口があり、2本のLANケーブルと繋ぎ合わせてLANケーブルを延長します。
価格も500円〜1,500円ほどと安価であり、電器量販店ですぐに購入できます。
ただ、2本のLANケーブルが必要になるので、追加でLANケーブルを準備しなければなりません。
さらに、LANケーブルのカテゴリーと延長コネクタが対応するカテゴリーを合わせなければ、通信速度が落ちてしまう可能性もあるので、注意しておきましょう。
LANケーブルを延長して、複数の端末に接続したい時にはハブを使用します。
ハブは一本のLANケーブルから複数のLANケーブルに分岐する役割があり、延長するためにも使用されます。
価格は1,500円〜3,000円ほどで、対応する通信規格や接続できる数によって差があります。
延長コネクタ同様に、LANケーブルとカテゴリーを合わせなければ通信速度は遅くなってしまうため、購入の際には注意が必要です。
ハブはただ単にLANケーブルを延長したい時だけでなく、接続する端末を増やしたい時に活躍する機器です。
LANケーブルを延長する際のコストは、延長方法や使用する機器の種類によって大きく変わります。
以下は、延長方法ごとのLANケーブルを延長する際の費用相場を表にまとめたものです。
延長方法 | 費用相場 | 特徴 |
長いLANケーブルに交換 | 2,000円〜10,000円 | 簡単に交換可能だが、長いケーブルほどコストがかかる |
延長コネクタ使用 | 500円〜1,500円 | 安価で手軽だが、複数ケーブルの接続が必要 |
ハブ使用 | 1,500円〜3,000円 | 複数端末接続も可能で便利、通信規格の確認が必要 |
専門業者への依頼 | 20,000円〜50,000円以上 | 正確な配線設計と工事を任せられるが、コストが高い |
一般的には、長さに余裕のある新しいケーブルを購入するのが手軽で安価ですが、延長コネクタやハブを用いると追加機器が必要になるため、若干のコストがかかります。
配線や設置に自信がない場合は、専門業者に依頼することも選択肢の一つです。
専門業者に依頼すると、正確な設計や工事が可能となり、延長の際のトラブルを避けられるため、安心して快適な通信環境を構築できますが、その分費用は他の方法より高めになります。
費用と必要な機能を検討し、目的に合った延長方法を選びましょう。
基本的には、LANケーブルの延長そのものが通信速度に直接的な影響を与えることは少ないとされています。
しかし、注意が必要なのは、使用するケーブルや延長コネクタ、ハブなどの機器が、現在のネットワークに適したカテゴリーに対応しているかどうかです。カテゴリーが異なると、通信速度が遅くなる可能性があるため、ケーブルや機器は同じカテゴリーに揃えることが推奨されます。
また、極端に長い距離を延長すると信号の劣化が発生し、速度低下や通信の不安定さが見られることがあります。一般的には100メートル以内の延長であれば問題ありませんが、それを超える場合は信号を増幅する装置の導入が必要です。
これらの点に注意すれば、延長しても安定した通信速度を維持できるでしょう。
LANケーブルを延長するために必要な機器を選ぶ時には、以下の2つの注意点があります。
LANケーブルを扱う場合には、カテゴリーの理解は必須です。
LANケーブルや延長コネクタ、ハブのカテゴリーは通信速度に影響を与えるためです。
それぞれの機器を選ぶ際の注意点を解説します。
LANケーブルを長いものに延長する時だけでなく、延長コネクタやハブを購入する時には、現在使用しているLANケーブルのカテゴリーを確認しておきましょう。
延長する前のLANケーブルと契約しているプロバイダとの通信速度を比較して、対応しているカテゴリーであれば、同じカテゴリーのLANケーブルを購入する必要があります。
もし、現在のLANケーブルがプロバイダの通信速度に対応していないものであれば、新たに購入するLANケーブルは、プロバイダの通信速度に対応できるものにしなければなりません。
LANケーブルを購入する場合には、カテゴリーを必ず確認しておきましょう。
確認する方法は、別記事「LANケーブルのカテゴリーの種類と違いを誰でもわかりやすく解説」で説明しています。
カテゴリーはLANケーブルだけでなく、延長コネクタやハブにも影響します。
LANケーブルだけプロバイダの通信速度に合うカテゴリーを使用しても、延長コネクタやハブがLANケーブルのカテゴリーに対応していなければ、通信速度は変化してしまうためです。
延長コネクタやハブを購入する前には、LANケーブルのカテゴリーとプロバイダの通信速度を確認して、同じカテゴリーに対応しているかを確認しておきましょう。
LANケーブルを延長すると、接続の安定性や通信速度に関するトラブルが発生することがあります。これらの問題は、延長方法や使用する機器の選定次第で回避できる場合が多く、事前の対策が重要です。
ここでは、LANケーブル延長時によく見られるトラブルの原因と、それぞれの解決策について詳しく解説します。
LANケーブルを延長すると、接続距離が長くなることで信号の減衰が発生し、通信速度が低下する場合があります。特に延長コネクタやハブを利用する場合、それぞれの機器の対応カテゴリーや品質が通信速度に影響を与える要因となります。
対策として、LANケーブルや延長コネクタ、ハブが同じカテゴリーに対応していることを確認しましょう。また、長距離の延長が必要な場合には、高品質のケーブルを選ぶことで信号劣化を抑え、スムーズな通信を維持できます。
LANケーブルを延長すると、接続が不安定になることがあります。原因としては、接続部が増えることで接触不良や電気的な干渉が起きやすくなる点が挙げられます。
延長コネクタやハブを使用する場合、それらがしっかりと接続されていないと通信が途切れやすくなるため、接続部をしっかりと固定し、ケーブルを適切な位置に設置することが大切です。
また、ケーブルを過度に曲げたり、引っ張ったりしないよう配慮することで、安定した接続を保つことができます。
LANケーブルを延長した際、周囲の電子機器や配線から発生する電磁波の影響で、通信が乱れることがあります。
この電磁干渉(EMI)は特に家庭内の家電製品やオフィス内の電子機器が密集する環境で発生しやすく、LANケーブルの信号が妨害される原因となります。
EMIの影響を避けるためには、シールド付きLANケーブル(STPケーブル)を選ぶか、金属製の配管を使用してケーブルを保護するのが効果的です。
また、LANケーブルの配置を他の電源ケーブルや電磁波の強い機器から離すことで、安定した通信環境を確保できます。
LANケーブルを延長する際、床や壁沿いに敷設したケーブルが引っかかったり、踏まれるなどして物理的に損傷を受けることがあります。
このような損傷は通信不良や速度低下の原因になるため、ケーブルの保護が重要です。
ケーブルプロテクターを使用してカバーする、または壁に固定することで、ケーブルが移動や接触で損傷しないように工夫すると良いでしょう。
また、延長後は定期的にケーブルの状態を確認し、ひび割れや外装の破れがないかチェックすることで、長期間安定した通信を維持できます。
LANケーブルを延長する際に使うハブや延長コネクタが、各機器の対応カテゴリーや仕様が異なることが原因で、既存のネットワーク機器と相性が合わず、通信エラーが発生することがあります。
相性不良を避けるためには、使用するLANケーブルや延長機器が同じカテゴリーに対応していることを確認し、可能であれば同一メーカーの製品で揃えるのが望ましいです。
これにより、機器間の相性問題を減らし、スムーズで安定した通信環境を確保できます。
LANケーブルを延長するためには、LANケーブルや延長コネクタ、ハブが必要です。
しかし、何も知らない状態でLANケーブルを延長しようとしても、どの方法を選べば良いかわからない人も多いはずです
どのように配線した方が効率よく快適なネットワークを構築できるのか、どのような工事が必要かがわからないためです。
そのような時には、専門業者に依頼する方法をおすすめします。
専門業者であれば、必要なLANケーブルの長さや配線の位置、延長コネクタやハブの必要性を正確に判断し、設計できるためです。
さらに、必要に応じて工事まで請け負ってくれるため、全てを任せられます。
ASIA NETでもネットワークの設計から構築、工事まで快適な通信環境を構築するためのアイデアを提案し、実装までお手伝いします。
間違った通信環境を構築しないためにも、ぜひ一度ASIA NETまでお問い合わせください。
ここでは、LANケーブル延長の方法や使用する機器に関するよくある質問とその回答をまとめました。
延長作業をスムーズに行い、快適な通信環境を確保するための参考にしてください。
ハブを使う際のポート数は、接続したい端末の数と今後の拡張性を考慮して選ぶのがポイントです。
例えば、現在2〜3台のデバイスを接続する予定であっても、将来的に増える可能性がある場合は、余裕を持って4ポート以上のハブを選んでおくと便利です。また、ポート数が多いハブほど価格は上がる傾向にあります。
しかし、家庭内やオフィス内で複数のデバイスを一括管理したい場合には、十分なポート数を備えたハブを選ぶことで快適なネットワーク環境を構築できます。
LANケーブルのカテゴリーを選ぶ際には、使用するインターネット環境の速度や用途に応じて適切なものを選びましょう。
一般的には、家庭やオフィスでの通常利用にはCat5eやCat6のカテゴリーがよく使われており、高速な通信に対応しています。より高い通信速度が必要な場合や将来的な拡張性を考える場合には、Cat6aやCat7などの上位カテゴリーが適しています。
大容量データの転送や複数台の端末で安定した通信が求められる環境では、より高いカテゴリーのケーブルを選ぶことで、通信速度や安定性を向上させることが可能です。
PoE(Power over Ethernet)対応の機器を使用する際には、接続するLANケーブルやハブがPoEに対応しているかをご確認ください。
PoE対応の機器はLANケーブルを通して電力を供給するため、一般のLANケーブルや非対応のハブを使うと正常に動作しなかったり、機器に負担がかかる可能性があります。
特に、監視カメラやアクセスポイントなどのPoE対応機器では、安定した電力供給が通信の安定性にも影響します。そのため、PoE規格に適合したケーブルやハブを選ぶことで、ネットワーク全体のパフォーマンスを保ち、安全な機器の運用が可能です。
また、複数のPoE機器を接続する場合には、ハブの給電容量が不足しないよう、ポートごとの最大給電量も考慮しましょう。
今回は、LANケーブルを延長する方法を3つ紹介しました。
どの方法を採用するにしても、現在使用しているLANケーブルのカテゴリーやプロバイダの通信速度を確認する必要があります。
LANケーブルを延長して、使いやすくなっても通信速度が遅くなると、ネットワークが使いにくくなるためです。
LANケーブルだけでなく、延長コネクタやハブにも対応できるカテゴリーがあるため、購入する際には必ず確認しておきましょう。
どの製品を使えば良いか、どのようにLANケーブルを配線すれば効率の良い通信ができるかがわからない人は、専門業者に相談することをおすすめします。
ASIA NETでも相談から見積もり、設計や工事まで快適な通信環境を構築するお手伝いができるので、ぜひ一度お問い合わせください。
LANケーブルを延長するだけでも、注意しなければならないことは複数あるため、専門家の意見を聞くだけでも快適な通信環境を構築できるようになるはずです。