

有線LANを使用してネットワークやインターネットにアクセスする際、もう少し通信速度を上げたいと感じている人も多いでしょう。有線LANを利用する場合は、LANケーブルが必ず必要になります。また、LANケーブルのカテゴリーによって通信速度が異なります。
この記事ではLANケーブルの種類や違いについて解説します。さらに後半では、LANケーブルの選び方や通信速度を高める方法について詳しく説明しますので、最後までご覧ください。
LANケーブルの種類だけでも通信速度に影響を与えるため、より快適な通信環境を構築したい方は参考にしてください。
目次
LANケーブルは、さまざまなカテゴリーがあり、通信速度と周波数によって数値が割り当てられています。2022年現在、使用されているLANケーブルの各カテゴリーごとに通信速度と周波数を以下の表に示します。
カテゴリー | 通信速度 | 周波数 |
CAT5 | 100Mbps | 100MHz |
CAT5e | 1Gbps | 100MHz |
CAT6 | 1Gbps | 250MHz |
CAT6A | 10Gbps | 500MHz |
CAT7 | 10Gbps | 600MHz |
CAT8 | 40Gbps | 2000MHz |
カテゴリーの数字が高いほど、通信速度と周波数が向上しますので、より高速な通信を実現したい場合は、高いカテゴリーのLANケーブルを選択しましょう。しかしながら、すでに契約中のネットワークの通信速度が低ければ、たとえカテゴリーの高いLANケーブルを使用しても速度は速くなりません。
通信速度を向上させたい場合は、契約しているネット回線の契約内容を見直すことをおすすめします。
ここでは、カテゴリの規格別に表記名・通信速度・周波数を規格一覧表にしました。
カテゴリ | 通信速度 | 周波数 | 表記名 |
CAT5 | 100Mbps | 100MHz | ANSI/TIA/EIA-568-B.1 |
CAT5e | 1Gbps | 100MHz | ANSI/TIA/EIA-568-B.2 |
CAT6 | 1Gbps | 250MHz | ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1 |
CAT6A | 10Gbps | 500MHz | ANSI/TIA-568-B.2-10 |
CAT7 | 10Gbps | 600MHz | ISO/IEC 11801 |
CAT8 | 40Gbps | 2,000MHz | ANSI/TIA-568.C-2-1 |
同じインターネット回線でも、LANケーブルのカテゴリーによって通信速度が異なるため、どのカテゴリーを選択すれば良いのか悩んでしまう方も多く見受けられます。
ここでは、カテゴリーの違いやどのようなケースでの使用をおすすめできるかご紹介します。ネットワークの使用環境や用途に適したカテゴリーを選びましょう。
最も古いタイプのカテゴリーで、通信速度は決して速くありませんが、安く手に入れられるといった特徴があります。インターネットでWebサイトをただ閲覧するだけであれば不便はありませんが、動画視聴をよくする方やサイズの大きいファイルの送受信をする方には向きません。
1Gbpsの通信速度に対応したカテゴリーです。一般的なプロバイダで多く提供されています。値段も安価なため、一般家庭での利用や通信のみを行う社内ネットワークを使用している場合には十分だといえます。ただし、周波数が高くないため大きなデータのやり取りには時間が掛かります。
CAT5eと同じ1Gbpsの通信速度ですが、周波数が2.5倍のカテゴリーです。周波数が高くなると、より大きなデータの送受信が短い時間で可能となります。
CAT6Aは10Gbpsの通信速度に対応したLANケーブルのカテゴリーです。
動画のストリーミングや社内のWeb会議など、高帯域幅のニーズがある場合にはCAT6A以上のカテゴリーが推奨されます。社内のインターネット構築は、CAT6A以上のLANケーブルの利用をお勧めします。
LAN環境を整える前に、契約しているプロバイダーが10Gbpsに対応しているか確認しておかなければいけません。
将来的には10Gbpsの通信速度が主流になると見込まれるため、LANケーブルの購入を検討する際には、ぜひこの点を考慮してください。
通信速度はCAT6Aと同じく10Gbpsですが、周波数が高いことからよりタイムラグの少ない通信が期待できます。また、ノイズに対する耐性も高く、サーバーと頻繁に接続するならCAT7以上のカテゴリーが推奨されます。
社内の端末に接続するためのLANケーブルであれば、CAT7までのLANケーブルは必要ありません。
通信速度が最も高く、周波数が高いLANケーブルの一つです。40Gbpsの通信速度に対応しており、業務においてはわずかなタイムラグも許されない場合に使用されます。
ただし、一般的な社内ネットワークでは、CAT8までのスペックは必要ない場合もあります。
LANケーブルのカテゴリーは、外観や形状だけでは識別することができません。カテゴリーを確認するには、LANケーブルに記載されている英数字を確認する必要があります。
例えば、CAT6の場合、通常「CAT.6」と記載されています。LANケーブルにカテゴリーが記載されていない場合は、次のような英数字で識別できます。
CAT5 | ANSI/TIA/EIA-568-B.1 |
CAT5e | ANSI/TIA/EIA-568-B.2 |
CAT6 | ANSI/TIA/EIA-568-B.2-1 |
CAT6A | ANSI/TIA-568-B.2-10 |
CAT7 | ISO/IEC 11801 |
CAT8 | ANSI/TIA-568.C-2-1 |
上記の英数字は、更新されていくため、その都度調べてからカテゴリーを見分ける必要があるので注意しておきましょう。
ここではLANケーブルの選び方について説明します。LANケーブルの選択には主に以下の2つの要素が考慮されます。
まずは、契約中のプロバイダが対応している通信速度を見直しましょう。
例えば、プロバイダの最大速度が1Gbpsであれば、CAT7のLANケーブルを使用しても10Gbpsの通信速度を実現することはできません。反対にプロバイダの最大速度が10Gbpsだった場合に、CAT5のLANケーブルを使用すると最大でも100Mbpsの通信速度しか得られません。
このようにLANケーブルを選択する際には、契約中のプロバイダが対応している通信速度を考慮する必要があります。
LANケーブルを購入する前に、端末との距離や設置環境を確認しましょう。LANケーブルはさまざまな長さで販売されており、1mから数十mまで選択できます。必要な長さを確認してから購入することが重要です。
LANケーブルが通る場所が人が通行するエリアであれば、フラット型のケーブルが適しています。屋外で使用する場合は、屋外仕様のLANケーブルを選ぶのがベストです。
カテゴリーの規格だけでなく、配線環境を事前に確認しておくことで、失敗なく構築できるでしょう。
異なるカテゴリーのLANケーブル同士でも通信は可能です。例えば、カテゴリ5とカテゴリ6が混在していても、通常はネットワーク接続や機器の故障などの問題は生じません。ただし、最大通信速度はLANケーブルのカテゴリーによって制限されるため、接続されているLANケーブルのカテゴリーが通信速度に影響します。
Cat6とCat5eであれば両者とも1Gbpsの通信速度を提供しており、性能面で大きな差はありません。通信速度や伝送帯域に関してはCat6が優れていますが、一般家庭で使用するにはあまり差は感じられないでしょう。
ただし、膨大なデータ量をやり取りする機会が多いオフィスでは、データ量の増加を考慮して伝送帯域の大きいCat6Aを検討する必要があります。
上記でお伝えしたように、LANケーブルのCat6とCat6aでは性能や、構造に色々な違いがあります。LANケーブルを高性能にしても、光回線のような高速通信の回線を契約していないと、契約回線の通信速度上限までしか回線速度はでないので注意が必要です。
例えば、通信速度が200Mbpsの契約回線を使用しているとします。LANケーブルで通信速度が上がるわけではないため、いくらLANケーブルを高性能にしてもそれ以上はでません。LANケーブルのCat6の使用環境は、一般家庭で複数台のデバイスを同時接続しながら、快適にインターネットを利用するのに向いています。
Cat6aはCat6の改良品なので、オフィスワークや店舗など企業での使用環境に向いています。そのため、業務用に使用するのであれば、Cat6aのLANケーブルの方が最適だと言えるでしょう。
具体的な違いについては、別記事「Cat6とCat6aの違いとは?業務用に最適なLANケーブルの選定基準を解説」でお話ししていますので、ご覧ください。
LANケーブルを購入する際は、契約中のプロパイダが提供している通信速度やカテゴリーの規格だけでなく、LANケーブルの使用環境も事前に確認しておく必要があります。
しかし、適切なLANケーブルを選ぶためには、プロバイダとの契約状況やカテゴリーの性能を確認するだけでも多くの時間と手間がかかってしまうでしょう。ネットワーク環境を手間なく構築したい場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。
アジアネットはネットワークの構築から、環境に適したLANケーブルの選択まで、すべてに対応しています。ネットワーク構築にお困りの方は、お問い合わせフォームから、お気軽にご連絡ください。
LANケーブルのカテゴリーによる違いを解説しました。LANケーブルをカテゴリーで選ぶ際は、記載されている数字が高くなるほど通信速度や周波数が高くなります。
ただし、カテゴリーの規格だけでLANケーブルを購入するかどうか判断するのはおすすめできません。契約中のプロバイダが対応している通信速度やネットワーク環境を踏まえ、業務に最も適したLANケーブルを選びましょう。
自社だけでネットワークの構築が難しいと感じる場合には、専門業者に依頼するのもおすすめです。アジアネットでは、ネットワークについての気軽な相談から快適なネットワークの構築まで承ります。お問い合わせよりぜひご連絡ください。
より最適な機器を選び、快適なネットワークを構築しましょう。