コインパーキング 充電

コインパーキングにEV充電設備は必要か?現状と5つの課題を解説

モビリティ分野の技術の進化は目覚ましいものがあり、なかでも注目されているのがEV(電気自動車)です。

CCCMKホールディングス株式会社が14,441名を対象にして行った「電気自動車(EV)に関するアンケート調査」では、日本で電気自動車の所有率は1%程度に留まるなど、まだまだ多くはありません。

日本政府が2035年までに自動車の新車販売における、EVの普及率を100%とする目標を掲げているのをご存知でしょうか。将来的にはコインパーキングの利用も、電気自動車がガソリン車から置き換わって主流になる見込みです。今後、コインパーキングでEVの利用を検討している方は、EV充電設備の現状が気になるのではないでしょうか。

この記事では、コインパーキングにおけるEV充電設備の必要性や、現状と5つの課題などについて解説していきます。

コインパーキングにおけるEV充電設備の現状

EVの利用者にとって欠かせないものと言えば充電インフラでしょう。特に、長距離を走行するドライバーは電欠の不安を抱えがちですので、外出先で充電スポットを気にするものです。目的地に着くまでの道中で、EV充電スポットが少なかったり、設置されていなかったりすると使い勝手が悪くなります。電気自動車やEV充電設備の使い勝手が良くなければ、利便性の低下に繋がるでしょう。

コインパーキングに充電スタンドを設置することで、EVユーザーは駐車と充電を同時に行えるため、時間を効率的に使えます。しかしながら、EV充電設備を設置しているコインパーキングの数は、まだまだ多くはないのが現状です。

コインパーキングに設置しているEV充電設備の種類

コインパーキングに設置しているEV充電設備の種類は、普通充電・急速充電の2つのタイプがあります。

普通充電

普通充電は100V・200Vと電圧が分かれています。EV充電設備によって違いはありますが、約5時間〜8時間の充電で完了できます。出力は3.2kW〜6kWなどが一般的です。EV充電設備の本体に充電ケーブルが備え付けられているタイプと、ドライバーが持っている充電ケーブルを、EV充電器のコンセントに繋ぐタイプがあります。

急速充電

急速充電は、普通充電よりも遥かに出力が高く10kW以上のものを指します。充電スポットによっては30kWのタイプだったり、高速道路のサービスエリアには50kWの急速充電器が設置されていたりするケースも多いです。電気自動車の充電時間は、出力にもよりますが約15分〜40分の充電で完了します。

コインパーキングにおけるEV充電設備の5つの課題とは?

ここまでで、コインパーキングにおけるEV充電設備の現状と、充電スタンドの種類についてお伝えしてきました。EV充電設備が普及するためには、下記のような課題をクリアすることが求められるでしょう。

つづいては、コインパーキングにおける、EV充電設備の5つの課題を解説していきます。

  1. 個人の充電ケーブルの盗難被害
  2. 先客が充電完了しているのに戻って来ない
  3. 充電スペースにガソリン車が駐車している
  4. 低スペックの充電設備は利用者の満足度が低下する
  5. 屋外コインパーキングで雨天時の充電が面倒

1.個人の充電ケーブルの盗難被害

コインパーキングでEV充電設備を利用する際に、個人で充電ケーブルを準備するケースでは、盗難被害の注意が必要です。EVユーザーが所持する充電器は、普通充電ケーブルの200Vタイプが主流になっています。新品のものは数万円位の購入費用がかかるため、盗まれると金銭的に大きな痛手です。

★解決策★

電気自動車の車種によっては、車両の充電口に充電ケーブルを差し込むと抜けないように、ロックを掛けることが可能です。外出先の充電スポットを利用する機会が多いドライバーは、充電口のロック機能が付いている車両の購入をおすすめします。駐車中にドライブレコーダーで録画したり、人目につきやすいEV充電スペースがあるコインパーキングを利用したりするのも、盗難被害に遭わないための対策として効果的です。

2.先客が充電完了しているのに戻って来ない

ガソリン車の給油時間は数分で済みますが、EVの給電は数分では終わりません。急速充電で数十分間、普通充電で数時間の充電時間が必要です。充電時間が長くなるため、コインパーキングで先客が充電中に車から離れてしまい、充電完了しているのに戻って来ないケースもしばしば発生します。

★解決策★

充電中の先客がいると、利用するコインパーキングのEV充電設備が他に空いていなければ、終わるまで待たなければいけません。EVユーザーは車両から離れる場合に充電時間を逆算して、目安の時間内に戻って来るなど、次のドライバーに迷惑がかからないようにすることが大切です。

3.充電スペースにガソリン車が駐車している

コインパーキングの利用者は、EVよりもガソリン車が多いのが現状です。EV充電設備がある駐車スペースの数が少なく、ガソリン車に乗るドライバーからの認知度はあまり広まっていません。そのため、コインパーキングによっては、充電スペースにガソリン車が駐車しているところもあります。

★解決策★

多くの充電スペースには「EV優先」と路面や看板に書かれていて、ドライバーが分かるように目印があります。しかしながら、ガソリン車のドライバーからはあまり認知されていません。EV専用の充電スペースや、充電スタンドを増やしてEVユーザーの待ち時間が発生しないようにしたり、スムーズに駐車できるようにしたりなどの対策が必要です。

4.低スペックの充電設備は利用者の満足度が低下する

EVのバッテリーは年々、進化しており様々な自動車メーカーが大容量化に成功しています。電気自動車の充電設備で普通充電器は従来3kWが主流でした。例えば、3kWの普通充電器では50%充電するのに約10時間かかりますが、6kWでは半分の充電時間で済みます。現在では、3kWは低スペックの充電設備になるため、EVの利用者の満足度が低くなるでしょう。

★解決策★

EVのバッテリーの大容量化に伴い、EV充電設備のスペックを高めて、充電時間を短縮できるようにする必要があります。コインパーキングに、普通充電器の6kWタイプを設置することで、ドライバーの満足度や利便性が高くなります。理想は高スペックの急速充電器と、普通充電器の両方を設置することが望ましいでしょう。

5.屋外コインパーキングで雨天時の充電が面倒

電気は水に通電するため、雨に充電ケーブルのプラグや差込口が濡れてしまうと、充電時に火災や感電などのリスクが高くなります。屋外コインパーキングで雨天時のEV充電設備の利用は、感電や火災の心配をしたり、雨に濡れたりして充電が面倒になる恐れがあるでしょう。

★解決策★

EVの車両や充電器、充電設備は悪天候時の給電で火災や感電などが発生しないように、徹底した安全対策を行い製造されています。それでも火災や感電の危険性はゼロではありません。雨天時はEVの充電口に雨除けカバーを付けたり、屋内コインパーキングのEV充電設備を利用したりして火災や感電から身を守るようにしましょう。

まとめ

デジタル技術の進化やテクノロジーの発展に伴い、人々のライフスタイルも多様化しています。どんどん便利な世の中になっていますが、自動車は私達の生活にとって身近で必要不可欠なものとなっています。将来的には、ガソリン車やディーゼル車から電気自動車に完全移行する予想です。

コインパーキングの利用もEVが増えていくでしょう。現状ではEV充電設備の普及が進んでいないため、課題がたくさん出ています。課題解決に向けては、コインパーキングでEV充電設備の普及を促進することが重要です。

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