オフィスの電気代

オフィスの電気代相場はどれくらい?7つの節約方法を紹介

オフィスの運営において、電気代は重要な固定費の一部を占めています。特に広いオフィスビルや従業員が多い企業では、電気代が高額になることが多く、経費削減のためには効果的な対策が求められるでしょう。

この記事では、オフィスの電気代の相場について詳しく解説するとともに、すぐに実践できる7つの節約方法を紹介します。電気代の見直しを通じて、経営資源をより有効に活用し、持続可能な運営を目指しましょう。

オフィスビルの電気代の相場とは?

オフィスビルの電気代の相場は、坪面積や従業員数によって大きく異なります。一般的に、オフィスの坪面積が広くなるほど、そして従業員数が増えるほど電気代は高くなりますが、効率的な設備や省エネ対策が施されているかどうかも影響します。以下の表は、坪面積と従業員数に応じた電気代の相場です。

坪面積 従業員数 電気代の相場
10坪 約5人 20,000円前後
30坪 約15人 40,000円前後
80坪 約50人 8,000円前後

上記の相場は、各オフィスの使用状況や設備の省エネ対策によっても異なりますが、一般的な目安として参考にしてみてください。

電気代を抑えるためには、LED照明の導入やエアコンの適切な使用、オフィス機器の電源管理などの省エネ対策が有効です。また、従業員に対しても省エネ意識を高める教育を行うことで、さらなるコスト削減が期待できます。

ちなみに、家庭では、再生可能エネルギーを使用して電力の完全自給自足を目指す、いわゆるオフグリッド生活は実現可能かもしれません。しかし、企業のオフィスビルで再生可能エネルギーを使用したり節約したりしても0円にすることは難しいです。

また、オフィスビルの電気代といっても、ビル単位なのかテナントごとの請求なのかで請求方法ごとに電気料金の計算方式が異なり、費用が大きく変わる場合があります。

オフィスビルの電気代の内訳

オフィスビルの電気代は、さまざまな要素から構成されています。その内訳を理解することで、どの部分に節約の余地があるかを見極めることができるでしょう。電気代の構成要素としては、以下の項目が挙げられます。

  • 照明費用
  • エアコンなどの空調設備
  • パソコンやプリンターなどのIT機器
  • エレベーターやエスカレーターの運用にかかる電力
  • 管理システムやセキュリティ設備
  • 共用部分の電力使用

ビルによっても、どの要素に費用が嵩んでいるのかは異なります。

例えば、高層ビルでは、エレベーターやエスカレーターの稼働時間が長いため、電気代に大きく影響するでしょう。また、オフィス内のパソコンやプリンター、複合機などのIT機器は日常的に使用されるため、使用時間や台数によって電気代が大きく変動します。

特に注意しなくてはならないのが、共用部分の電力使用です。廊下やトイレ、休憩スペースの照明や空調がこれに該当します。これらの共用部分は、全てのテナントが使用するため、その電気代もオフィスビル全体の電気代に含まれます。

これらの内訳を把握することで、どの部分で電力消費が多いのかを認識し、具体的な節電対策を講じることが可能です。例えば、状況に応じてLED照明への切り替えや、省エネ型の空調設備の導入、IT機器の電源管理などが考えられるでしょう。

オフィスの電気代が高くなる理由

オフィスの電気代が高くなるのには、いくつかの明確な理由があります。これらの理由を理解することで、無駄なコストを削減し、効率的なエネルギー管理が可能になります。ここでは、具体的にどのような要因が電気代の増加を引き起こすのかを詳しく見ていきましょう。

エネルギー効率の低い設備を使用している

エネルギー効率の低い設備を使用している場合、オフィスの電気代は大幅に増加します。

例えば、古い照明器具やエアコンは、最新の省エネ機器に比べて多くの電力を消費します。特に、古い蛍光灯や白熱灯は、LED照明に比べて効率が低く、同じ明るさを得るためにより多くの電力が必要です。また、古いエアコンや暖房設備は、エネルギー効率が低いため、部屋を適切な温度に保つために多くの電力を消費します。

さらに、オフィス内のパソコンやプリンター、複合機などのIT機器もエネルギー効率が低いと、多くの電力を消費します。特に、24時間稼働するサーバーやネットワーク機器は、常に電力を消費しているため、効率が悪いと電気代に直結するので注意しましょう。

エネルギー効率の低い設備を使用していると、日々の電力消費が増加し、結果的に電気代が高くなるため、省エネ対策として、古い設備を最新の省エネ機器に置き換えることが重要です。これにより、消費電力を削減し、長期的にはコストの大幅な削減が期待できます。

また、定期的なメンテナンスを行い、設備の効率を最大限に保つことも大切です。

社員が節電を意識していない

社員が節電を意識していない場合、オフィスの電気代は無駄に高くなる傾向があります。

例えば、仕事が終わった後にパソコンやモニターの電源を切らずに放置したり、昼休みや会議中にも照明をつけっぱなしにしたりなどの小さな無駄が積み重なると、全体の電力消費量が大幅に増加します。

また、冷暖房の設定温度を適切に調整しないことも一因です。冬場に室温を過度に高く設定したり、夏場に極端に低く設定したりすると、エネルギーの無駄遣いになります。さらに、空調が必要ないときにもエアコンをつけっぱなしにすることが多い場合、これも電気代の増加を招きます。

社員がエネルギー消費に無関心であると、コピー機やプリンターなどのオフィス機器を無駄に使用することもあるでしょう。例えば、不要なコピーを大量に取ったり、プリンターを使わないときにも電源を入れっぱなしにしていたりすることが挙げられます。

このような状況を改善するためには、社員全体に節電の重要性を理解してもらうことが必要です。定期的に節電に関する教育や啓発活動を行い、具体的な節電方法を共有することで、社員一人ひとりが意識的に行動するようになります。

また、節電の成果を可視化し共有することで、節電意識を高めることができます。

不当に上乗せ請求をされている

オフィスの電気代が予想以上に高い場合、不当に上乗せ請求をされている可能性も考えられます。

契約内容や請求書を詳しくチェックすることで判明することがあるので、よく確認しましょう。電力会社との契約が古い場合、現在の市場価格にそぐわない高い料金を請求されていることがあります。特に、電力自由化以前に締結された契約がそのまま続いている場合、他のプランや他社の提供するプランと比較して割高な料金が適用されているかもしれません。

また、請求書を詳細に確認することで、通常の基本料金や使用量に加えて、不明瞭な追加料金が含まれていることが判明する場合もあります。これらの不当な請求は、契約内容に基づかないものである可能性があり、見過ごしてしまうと無駄なコストを支払うことになります。

こうした問題を防ぐためには、まず契約内容を定期的に見直し、他の電力会社のプランと比較することが重要です。より適切な料金プランに変更することで、無駄なコストを削減することができます。また、請求書を詳細に確認し、不明瞭な項目については電力会社に問い合わせてみましょう。

電力計の定期的な点検を行い、正確な計量が行われているか確認することも重要です。これらの対策を講じることで、不当な上乗せ請求を防ぎ、オフィスの電気代を適正な範囲に抑えることができます。

オフィスビルの電気代の効果的な7つの節約方法

オフィスの電気代

オフィスビルの電気代の効果的な7つの節約方法を紹介します。

  • 省エネ化している電化製品を使う
  • 残業時間の短縮・削減をする
  • 扇風機やサーキュレーターを使用する
  • 空調フィルターの掃除をする
  • LED照明や製品を使用する
  • クールビズを推奨する
  • 設定温度を見直す

省エネ化している電化製品を使う

オフィスビルの電気代の節約方法として、省エネ化している電化製品を使うことが効果的です。

例えば、最近の電化製品ではほとんど消費電力を抑えられる省エネ設定ができるので、エアコン・冷蔵庫・冷凍庫など消費電力が大きい物から省エネ化に対応済みの設備を導入するなどです。

反対に古い電化製品は、省エネ化されていないため消費電力が最近の電化製品よりも大きく、節電・節約の効率が悪くなってしまいます。

残業時間の短縮・削減をする

オフィスで新たに設備を導入すると費用がかかりますが、従業員の残業時間の短縮・削減に取り組むことでお金をかけずに電気代の節約が可能です。

社内で仕事をする時間は、照明や様々な設備を稼働させているので働いている間は常に電力を使用しています。いきなり従業員の残業時間の短縮・削減は難しいでしょうから、企業は働き方改革の取り組みと合わせて徐々に業務の効率化を目指すことが大切です。

扇風機やサーキュレーターを使用する

社内が広いほど空調が効くのに時間がかかります。エアコンの消費電力は電化製品の中でも大きく、省エネ設定されているタイプであっても長時間使用していると電気代が高くついてしまいます。

エアコン単体だけ稼働させるのではなく、扇風機やサーキュレーターを使用してオフィス内の空気を循環させるようにしたり、空調の稼働時間を減らしたりすると電気代の節約や節電に効果的です。

空調フィルターの掃除をする

オフィス内では色々な設備が稼働していますが、使用頻度が高く電力消費が大きい物が空調設備です。

夏場の冷房、冬場の暖房は特に電気代が高くなりがちです。エアコンの設定温度の変更や、省エネ設定などで電気代の節約に繋がりますが、空調フィルターが汚れていると冷却効率が低下するので、電気代に影響を及ぼします。空調フィルターの掃除をすると、設定温度の効果が早く得られ電気代の節約に繋がるので、こまめにメンテナンスをすることが大切です。

LED照明や製品を使用する

オフィスが広くなればなるほど、電気代の相場は高くなるとお伝えしました。広い社内では、たくさんの照明を設置する必要があるのでその分、消費電力が大きくなり電気代が高くなります。照明の電源をオフにして、節電・節約を心がけるとなるとオフィス内が暗い状態ですと、仕事に支障をきたしますから現実的ではありません。

オフィスビルの電気代の節約として、LED照明を導入すると白熱灯や蛍光灯よりも消費電力が少なく寿命も長いため効果的です。防犯カメラやセンサーライトなどもLED製品を導入すると、さらに電気代の削減に繋がります。

クールビズを推奨する

クールビズとは、夏季における冷房の使用を抑えるために、ビジネスカジュアルな服装を推奨する取り組みです。社員が涼しい服装で仕事をすることで、オフィス内の冷房設定温度を高めに保つことができ、結果として電力消費を抑えることができます。

具体的には、ネクタイやジャケットを着用せず、ポロシャツや薄手のシャツ、軽量素材のスラックスなどを着用するスタイルが一般的です。このような服装にすることで、社員が快適に過ごせる室温を27〜28度程度に設定しても問題なくなります。これにより、冷房機器の稼働時間や冷却効果を最小限に抑え、電力消費を大幅に削減することが可能です。

クールビズを効果的に推進するためには、社内での周知徹底が重要です。社員全員にクールビズの趣旨とメリットを理解してもらい、積極的に取り組むよう呼びかけましょう。

設定温度を見直す

エアコンや暖房の設定温度を適切に調整することで、無駄な電力消費を抑えることが可能です。

夏季には冷房の設定温度を27〜28度に、冬季には暖房の設定温度を20〜22度に設定することが推奨されています。これにより、快適な室内環境を保ちながらも、エネルギー効率を最大限に高めることができます。

設定温度を見直す際には、全社員が快適に感じる温度を考慮することが重要です。温度設定が適切でないと、社員の作業効率が低下し、健康に悪影響を与える可能性があります。そのため、温度調整を行う際には、社内の意見を取り入れ、バランスを保つことが求められます。

また、温度設定の見直しだけでなく、空調設備自体の管理も重要です。定期的なメンテナンスを行い、フィルターの清掃や交換をすることで、空調の効率を維持することができます。

さらに、日中の外気温に応じて温度設定を柔軟に変更することも効果的です。例えば、外気温が比較的低い早朝や夕方には、冷房や暖房を控えめにすることで、無駄なエネルギー消費を防ぐことができます。

オフィスビルの電気代は再エネで効果的な節約が可能

オフィスの電気代

オフィスビルの電気代の効果的な節約が可能になる、再生可能エネルギー発電システムを紹介します。

  • 太陽光発電システム
  • 風力発電システム
  • ソーラーパネル付きポータブル電源

太陽光発電システム

オフィスビルの電気代を減らしたいのであれば、社内で稼働させる設備の節電・節約に努めることも大切ですが「太陽光発電システム」の導入も効果的です。太陽光発電システムとは、自然エネルギーである太陽光をソーラーパネルに当てて電力を確保する発電方法です。

オフィスビルが賃貸だと難しいですが、自社ビルなら導入を考える価値はあるでしょう。初期費用は高額になりますが、国や地方自治体で定める条件をクリアしている企業に対しては法人向けの補助金を活用できるケースもあるので、太陽光発電システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

風力発電システム

オフィスビルの電気代の効果的な節約として「風力発電システム」を導入するのも良いでしょう。同じ再生可能エネルギーとしての枠組みである、太陽光発電システムと併用するとより電気代の節約が望めますし、導入を検討する発電方法を立地・環境などから考えて見るのも良いです。

例えば、オフィスがあまり太陽光の当たらない場所にあるけれど、屋上では風が強いことが考えられるため、風力発電システムを導入することもできます。太陽光発電システムや風力発電システムは、電力の自給自足を可能にするだけではなく電力が余れば売電して利益を得ることもできます。

ソーラーパネル付きポータブル電源

オフィスビルに再生可能エネルギーである、太陽光発電システムや風力発電システムを導入するのは高額な初期費用が必要になるので、電気代の効果的な節約に繋がると言っても悩む企業は多いでしょう。いきなり大きなリスクを抱えるのは不安があるなら、ビジネスで新たに事業を開始したり新商品の販売したりする際は、スモールスタートをしてみるという手段があるように、初期費用を抑えた再生可能エネルギーの導入がおすすめです。

例えば「ソーラーパネル付きポータブル電源」を導入して、電気代の節約に取り組むという方法があります。太陽光発電で給電・蓄電ができるので、停電や災害時に安全に電力を使用できますし、電源が無い場所でもポータブル電源を活用して電化製品を稼働させることが可能です。

まとめ◆かしこく固定費を削るならまず電気代から

オフィスの電気代

オフィスの電気代は、日々の運営コストの中で大きな割合を占める重要な要素です。適切な対策を講じることで、電気代を効果的に削減することができます。今回紹介した節約方法を実践することで、無駄なエネルギー消費を抑え、コストを削減することが可能です。

さらに、再生可能エネルギーを取り入れることで、長期的な視点で見ても持続可能な経営を実現できます。太陽光発電や風力発電、ソーラーパネル付きポータブル電源などの導入は、初期投資が必要ですが、その後の電気代の大幅な節約に寄与します。

固定費の削減を考える際、まずは電気代から見直すことが賢明です。小さな取り組みの積み重ねが大きな成果を生むため、今日からできる節約方法を取り入れて、経費削減と環境保護の両立を目指しましょう。

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