lan配線工事 オフィス

空配管とは?LAN配線工事のメリットと工事業者の選定基準を解説

lan配線工事 オフィス

オフィス環境のデジタル化に取り組む企業が増えています。社内でパソコンやタブレットなどのデバイスを、ネットワークに接続して使用するためには、有線・無線のLAN配線工事が必要です。

工事期間中はオフィスを利用できなかったり仕事に支障をきたしたりするかもしれません。工期は長ければ1週間程度かかる可能性もあるでしょう。オフィス移転時など初期段階であらかじめ空配管を設置すると、ネットワーク構築の工事が容易になり、後の工期を短くできます。

この記事では、空配管を設置するLAN配線工事のメリット・デメリットと、工事業者の選定基準を解説していきます。

空配管の5つのメリット

lan配線工事 オフィス

空配管とは後から配線ケーブルをスムーズに通せるように、あらかじめ設置する空の配管のことです。CD管とも呼ばれており、例えばオフィスや住宅でLAN配線ケーブル、電話線などの通信ケーブルを通すことで、配線工事が効率良く行えます。

次章では、オフィスに空配管を導入する5つのメリットを解説していきます。

1.将来的に何度も配線ケーブルの交換ができる

インターネット回線は進化を続けており、昔はADSLが主流でした。今では、より高速通信かつ高い安定性を誇る光回線が定番になっています。LAN配線ケーブルの性能も上がっているため、取り替える必要が出てきた時に空配管を設置していると、将来的に何度も配線ケーブルの交換が可能です。快適なネットワーク環境を整えることで、業務効率や生産性の向上に繋がります。

2.LAN配線ケーブル工事が楽になる

建物でLAN配線工事を行う時は壁や天井、床などに穴を開けたり、あるいは壁や床をはわせる露出配線をしたりします。

例えば、有線LANを利用する場合、オフィスのレイアウト変更などで従業員が違う場所から、ネットワークに繋げる必要性があると、LAN配線ケーブルの場所を変えなければいけません。

新たに工事を行うことになるので、その都度、手間や費用がかかってきます。あらかじめ、社内の複数の場所での有線LANの利用を想定して、空配管を設置しているとその後の工事が楽になり通線が簡単にできます。

3.オフィス内で配線ケーブルがむき出しにならない

オフィス内では多くの従業員が仕事を行っています。配線ケーブルを床や壁にはわせる露出配線をしていると、通路を移動する時に邪魔になったり、転倒したりする恐れがあるので危険です。壁の中に空配管を設置して、LANコンセントに配線ケーブルを集約すると、オフィス内で配線ケーブルがむき出しにならずにすみます。見栄えが良くなり、邪魔になったり転倒したりする心配がありません。

4.LAN配線ケーブルに不具合があっても交換が簡単にできる

LAN配線ケーブルは消耗品ですから、永久に使用できる物ではありません。長年使っていると経年劣化して通信速度が低下したり、通信が安定しなくなったりなどの不具合が起きる可能性があります。既存のLAN配線ケーブル交換のタイミングは、製品の寿命よりも不具合が起きて取り替えるケースが多いでしょう。空配管を設置していれば、万が一、LAN配線ケーブルに不具合があっても交換が簡単にできます。

5.LAN配線ケーブルを保護する役割がある

基本的にCD管は電気工事で使う配線ケーブルを保護する電線管として使われます。直接コンクリートに埋設する用途以外では、耐燃性のあるダクトなどに収めて設置する必要があります。

ただし、LAN配線ケーブルやアンテナケーブルの場合は、電線ではないため保護管扱いです。空配管はLAN配線ケーブルを保護する役割があり、なおかつ使用する場所の規定は定められていないため、オフィス内で幅広い使い方が可能です。

空配管の5つのデメリット

lan配線工事 オフィス

ここまでで、空配管を導入するメリットをお伝えしてきましたが、どんな商品やサービスにもメリット・デメリットはあります。失敗しないためにメリットだけではなく、どのようなリスクがあるのか把握して、比較検討後に工事を行うようにしましょう。

次章では、オフィスに空配管を導入する5つのデメリットを解説していきます。

1.空配管の設置工事費用がかかる

空配管の設置工事を業者に依頼する場合は費用がかかります。工務店や電気工事会社、CD管の太さなどによって費用が異なるため、金額は断定できませんが、1か所で1万円以内が相場です。建物の色々な場所でまとめて工事を行う場合は、2か所目から追加費用が段階的に安くなる業者もあるため、計画的に行うことでコストを抑えられます。

2.施工不良があっても気付きにくい

空配管を設置する時は、感電や漏電、火災などのトラブルが起きないように安全性が求められるため、電気工事士の資格を持つプロの業者に依頼します。工事中は全て業者に任せるので例えば、経年劣化した空配管の使用や、径の太さが打ち合わせと違うなどの施工不良があっても気付きにくくなります。

3.LAN配線ケーブルの径が空配管より太すぎると通線できない

LAN配線ケーブルと空配管をまとめて設置しない場合、事前に業者と綿密なコミュニケーションを取っておく必要があります。業者との打ち合わせが不十分だと、後からLAN配線ケーブルを通す時に、径が空配管より太すぎて入らず通線できなくなる恐れがあるからです。

4.モジュラープラグ付きケーブルの通線でプラグが破損する恐れがある

モジュラーケーブルは、先端部分にモジュラープラグ(コネクタ)が付いています。コネクタ部分を守るために、爪が付いているタイプもあります。電話線やFAXあるいは専用コネクタを利用することで、LAN配線ケーブルとして代用できるモジュラープラグ付きケーブルを空配管に通線する際は注意が必要です。通線したり引き抜いたりすると、プラグや爪が折れて破損するリスクがあります。

5.CD管は自己消火性が無いため漏電すると火災のリスクがある

空配管は屋内用のCD管と、屋内・屋外の両方で使用できるPF管があります。LAN配線ケーブルを通す場合はCD管が使われますが、自己消火性が無いため漏電などの火災リスクが懸念されます。

空配管工事業者の選定基準

建物に空配管を設置していれば、LAN配線ケーブルの導入や取り替えがスムーズに行えます。工事業者によって料金設定や工期が異なるため、相見積もりを出して費用対効果をしっかりと比較検討したうえで決めることが大切です。

その他にも、下記のようなポイントを意識して、慎重に工事業者を選定しましょう。

  1. オフィス近くに業者の拠点があるか
  2. LAN環境の拡張性を考えた工事ができるか
  3. アフターフォローの有無
  4. 実績の豊富さや評判が良いか
  5. 迅速丁寧な対応やコミュニケーションの円滑さ

別記事「オフィスのLAN配線工事の費用相場」では、上記の工事業者の選定基準を詳しく解説しているのでご覧ください。

まとめ

今すぐにオフィスでネットワーク構築をする必要はないけれど、将来的に無線や有線のLANの導入を考えている企業もあるのではないでしょうか。工期を短縮して、従業員の業務効率や生産性の向上を図るためにも、あらかじめ空配管を設置するのがおすすめです。

加えて、パソコンやタブレットなどのデバイスを、インターネットに繋げるならセキュリティ対策を行い、企業情報や個人情報の漏えいをさせないようにしていきましょう。

Related Posts