コインパーキング 故障

コインパーキングの機器トラブルの予防法!設備の耐用年数を解説

コインパーキングのビジネスは、急速に拡大しており注目が集まっています。一方でコインパーキングの経営には、機器の故障などトラブルも多く発生します。設備の耐用年数を把握したうえで適切なメンテナンス・修理・保守などを行うことが重要です。

今回は、コインパーキングの機器に関するよくある故障や設備の耐用年数についてご紹介します。コインパーキングの経営を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

よくある機械トラブルと対策方法

コインパーキングでは、精算や入出庫管理などほとんどを機械で行っています。無人で対応できることがメリットですが、一方で機械が故障してしまうとトラブルに繋がることもあります。

よくあるトラブルの事例は、「精算機の故障」「ゲートが動かない」「フラップ版が上がったままで車を出せない」などが挙げられます。具体的なトラブルの内容をご紹介し、発生した際の対策もご紹介します。利用者へ気持ちよく利用してもらうため、トラブルの事例を知り対策を行うようにしましょう。

精算機の故障

精算機が故障することで「お釣りが返金されない」「紙幣や硬貨を受け付けない」「領収書が発行されない」などのトラブルに繋がります。利用者の方がお急ぎの際は、クレームに繋がる場合もあります。精算機の故障は管理者側の問題のため、即時対応することが求められます。また、精算機が故障すると、コインパーキングの経営が行えなくなるため普段からのこまめなメンテナンスが重要です。

フラップ板が上がったままで車が出せない

フラップ板の具体的なトラブルとして、精算せずに出庫された場合や精算後にフラップ板を下げずにそのまま出庫した場合などがあります。利用者が気づかずに車を動かすことで、車が傷ついてしまう可能性があります。そうしたトラブルを未然に防ぐために、コインパーキングの敷地内には「駐車場利用規約」を記載しておくようにしましょう。

いたずらによる機器の破壊

無人で運営されているコインパーキングでは、場所によってはいたずらによって機器が損壊される可能性があります。これは犯罪行為であり、器物損壊罪が適用されるため、速やかに警察に通報し犯人を特定する必要があります。万が一のトラブルに備えて、防犯カメラの設置など対策しておくとトラブル解決に向けてスムーズです。

施設の故障や損壊が発生した場合、修理には多額の費用がかかるだけでなく、車室閉鎖による売上減少も懸念されます。利用者が離れてしまう可能性もあるため、早急に対策を行い営業を再開させることが大切です。

コインパーキングに必要な設備の法定耐用年数

コインパーキングを運営するにあたり、必要な設備を準備する必要があります。大きな設備を購入する場合、会計上で減価償却費として計上ができるため法律で耐用年数が定められています。

法定耐用年数は設備の実際の耐用年数ではありません。法定耐用年数を過ぎていても、定期的なメンテナンスすれば引き続き、使用することは可能です。ここでは、各設備の詳しい法定耐用年数について、ご紹介します。

ロック式・ゲート式の無人駐車管理装置

コインパーキングの無人駐車管理装置(利用料金精算を無人で管理する機器)が設置されている駐車場は、大きく分けてロック式とゲート式があります。

①ロック式

ロック式は、車一台の駐車スペースから使用できることが特徴です。車一台ごとにフラップが設置され、駐車時にフラップが上がり、清算後にフラップが下がる可動式が主流となっています。狭いスペースでも設置可能なため、小規模なコインパーキングでよく見かけることが多いタイプです。

②ゲート式

ゲート式は、駐車場の出入り口にバーと精算機を設置し、自動車の入出庫時に機械的にゲートで遮断します。設備も大型のため、大規模駐車場・スーパー・病院などに使われることが多いです。ゲート式の場合、車に乗ったまま精算が可能です。

ロック式・ゲート式で使用される、フラップ・バー・料金自動精算機などの無人駐車管理装置の耐用年数は、2014年9月に一般社団法人日本パーキングビジネス協会の「時間貸駐車場における表示・運用のガイドライン」によって、5年と定められています。

以前の耐用年数は10年でしたが、自動車用の無人駐車管理装置は排気ガスの影響を受けやすく、すぐに腐食してしまいます。そのため「耐用年数の短縮制度」がかなりの頻度で適用されたことにより、5年に短縮されました。

看板

コインパーキングには、料金の案内や設備の使用方法を説明する看板を設置します。看板の法定耐用年数は3年です。定期的な点検や修理などを丁寧に行うことで、それ以上使用することも可能です。法定耐用年数が経過した後は、経費計上が完了しているため集客対策で最新の看板に入れ替えることを検討しても良いのではないでしょうか。

※参考:主な減価償却資産の耐用年数表(国税庁)

一次電源の引き込み

「一次電気の引き込み」とは、電気が引き込まれていない場所に新たに電気を引き込む工事のことです。コインパーキングの設置を行う際に、電気が引き込まれていないことが多くあります。無人駐車管理装置などの設置を行う場合は、一時電源の引き込みと電源供給のための設備が必要です。この一次電源の引き込み設備の耐用年数は、約15年となります。

各設備は実際にどれくらい使用可能?

ここまで、各設備の法定耐用年数について、ご説明しました。法定耐用年数は、実際の耐用年数とは異なります。設置する場所の環境によって、大きく左右されますがやはり定期的なメンテナンスが重要になります。適切な修理・保守を日ごろから行うことで10年ほどは利用できます。

コインパーキングの最適な経営方法

自分ですべてを行う自営方式

自営方式のコインパーキング経営では、設備の全てについて自らがコントロールできる利点があります。しかし、初期投資や減価償却による経費が発生し、また日々のメンテナンスも手間がかかります。一方、しっかりとメンテナンスをすることで、長期間使える状態を維持でき、経費の削減と利益の増加が期待できます。

すべてを任せられる一括借り上げ方式

一括借り上げ方式では、オーナーは運営会社に経営を委託します。コインパーキングの設備の修理や保守には専門的な知識が必要になる場合が多くあります。運営会社に委託することで、専門の知識や経験を持つ担当者が適切なメンテナンスを行います。設備の維持に関する心配がなくなり、安心です。

また、初期費用も不要な場合が多く、保守や修理にかかる費用も運営会社が負担します。すべてを任せられることでオーナーの手間が軽減し、リスクを低減できることが特徴です。

運営委託は、慎重な選定が必要

一括借り上げ方式は、コインパーキング経営で最も一般的な方法です。経営者は業者へ土地を貸すだけのため、直接コインパーキングの利用者とのトラブルに対応することはありません。

一方、すべてを任せることで管理体制が不透明になるデメリットもあります。たとえば、清掃不足や精算機、照明、フェンスの放置などが挙げられます。

コインパーキングは、日々さまざまな方が利用するため定期的なメンテナンスや清掃が欠かせません。雑なメンテナンスが続くと利用客が離れてしまう可能性もあります。従って、コインパーキング業者を選ぶ際には、事前にその実績や信頼性を慎重にリサーチすることが重要です。利用客の離れを防ぎ、円滑な運営を確保するためにも、適切な選定を行うようにしましょう。

機器のトラブル対策には、事前準備と定期的なメンテナンスを

本記事では、コインパーキングの経営の際に事前に知っておきたい機器の故障によるトラブルや設備の耐久年数に関してご紹介しました。機器の故障やトラブルを最小限にするために、設備の耐用年数を理解し、適切なメンテナンスや修理を行うことが大切です。

コインパーキングの経営方法には、自分で設備の整備を行う「自営方式」と運営会社に任せる「一括借り上げ方式」があります。自営式は、オーナーがメンテナンスを行うため手間や負担が大きい分、利益も大きくなります。一括借り上げ方式は、専門的な知識を持つ運営会社に経営を任せられるためメンテナンスの心配がなくなります。手間やリスクを軽減し、安定した運営を行うためには、運営会社に委託することがおすすめです。ご自身の状況によって、適切な経営方法を検討してみてください。

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