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多くの企業でオフィスワークのデジタル化が推進しており、パソコンやiPadなどのデバイスを使ってオンライン上で商談、会議を行うことが増えています。インターネット回線を利用して、通信機器を使用するため常に安定したネットワーク環境が求められます。
そんな中、インターネットを利用するため、有線Lanケーブルをオフィスに配線している企業は多いでしょう。しかし有線Lanケーブルは、お使いのルーターやパソコンに適していないものを選ぶと、通信速度や安定性が低下して性能を最大限に活かせない可能性があるため注意が必要です。
この記事では、オフィスに最適なLanケーブルの選び方や、5つの選定ポイントなどについて解説していきます。
目次
無線LANも通信速度は十分速いですが、多くの従業員が同時にオンライン会議や商談、大量のデータの送受信をするなら、より高速通信が可能で通信の安定性が高い有線Lanケーブルを使用するのが最適です。
ただし、有線Lanケーブルは「規格・種類・形状・長さ・接続タイプ」などが様々あるので、オフィス環境やデバイスの使用環境に合ったものを選ぶことが大切です。
生産性の向上や業務効率化を図るならば、オフィスワークのデジタル化は必要ですから、パソコンだけではなく、周辺機器にも気を配らなければいけません。
オンライン会議や商談、大量のデータのやり取りをスムーズに行うためには、ネットワークの通信速度の高速化と安定性があることが欠かせないので、有線Lanケーブルの選び方において通信速度が重要になってきます。
有線Lanケーブルは「規格・種類・形状・長さ・接続タイプ」など様々あり、それぞれ下記のように細分化されています。
名称 | 特徴 | |
規格(カテゴリ) | Cat5 | 100Mbps |
Cat5e | 1Gbps | |
Cat6 | 1Gbps | |
Cat6a | 10Gbps | |
Cat7 | 10Gbps | |
Cat8 | 40Gbps | |
種類 | ストレートケーブル | パソコンとルーターなどの、周辺機器を接続する際に使用 |
クロスケーブル | パソコン同士をダイレクトに繋ぐ場合に使用 | |
形状 | 屋外用タイプ | 配線の内側にホイル加工を採用し、外側に耐水性に優れた表皮で覆うため悪天候に強い |
スリムタイプ | 軽量かつ柔らかく曲げやすい | |
スタンダードタイプ | ノイズに強く長距離配線に向いている | |
フラットタイプ | 厚みがなく床に這わせたり、家具の裏側、カーペット、ドアの下などへの配線に向いている | |
接続タイプ | RJ型爪折れ防止コネクタ | コネクタ部分の爪折れを防ぐ保護カバー付きや、曲げても折れにくいナイロン製の爪などがある |
RJ型LED内蔵コネクタ | コネクタにLEDが内蔵されており、コネクタの裏表どちらでも接続できる | |
RJ型金属シェル付きコネクタ | コネクタが金属シェルで覆われており、ノイズを抑える効果がある |
上記のように、有線Lanケーブルは様々あるので、オフィス環境やデバイスの使用環境に合ったものを選ぶようにすると、性能を最大限に活かせられるのです。
ここまでで、オフィス環境やデバイスの使用環境に合った、有線Lanケーブルを選ぶことの重要性をお伝えしてきましたが、具体的にどのような基準で選ぶべきなのか、選び方がわからなくて悩む方もいるでしょう。
次章では、オフィスに最適な、Lanケーブルの5つの選び方のポイントを解説していきます。
有線Lanケーブルを選ぶ時に、一番重視するポイントが「通信規格=カテゴリ」です。カテゴリは「Cat◯」の表記で「5・5e・6・6a・7・8」などの、数字が◯の中に入ります。数字が大きいほど、高速通信が可能で通信の安定性が高いのですが、オフィスワークをするならばオンライン会議や商談、大量のデータのやり取りなどで、安定した高速通信が求められるため有線Lanケーブルは「Cat6a」がおすすめです。
通信規格がCat6a以上ですと、光回線にも対応していて安定した高速通信が可能です。社内サーバーを構築している企業は、業務用サーバーの利用を考えるならCat7以上が望ましいでしょう。
有線Lanケーブルは、ストレートケーブルとクロスケーブルの2種類があり、コネクタ部分の配線を見ればそれぞれの判断がつきます。ストレートケーブルは、銅線の色の並びが揃っていてクロスケーブルは色の順番が異なるのです。
パソコンとルーターなどの周辺機器を接続する際に、ストレートケーブルを使用します。クロスケーブルは機器を使わずに、パソコン同士をダイレクトに繋ぐLanケーブルです。従業員のなかには、パソコン操作が苦手な人やITリテラシーが高くない人もいるでしょう。
オフィスでパソコンや周辺機器に、新しい有線Lanケーブルを接続する時に間違った種類のものを差し込んだら、故障してしまうのではと不安になるかもしれません。最近のパソコンや周辺機器には、LANケーブル自動判別機能が搭載されています。ストレートケーブルと、クロスケーブルの両方が使えるようにできるので、パソコン操作が苦手な人やITリテラシーが高くない人でも安心です。
オフィスに最適な有線Lanケーブルを選ぶ際は形状も大切です。Lanケーブルの形状は下記のようなタイプがあります。
屋外用タイプ | 屋外の配線に最適なLanケーブルで、配線の内側にホイル加工を採用し、外側には耐水性が良い表皮が使われているため、悪天候に強いです。 |
スタンダードタイプ | スタンダードタイプのLanケーブルは、ノイズに強く長距離配線に向いているのですが、厚さがある分配線が柔らかくないため取り回しがしにくくなります。 |
スリムタイプ | スタンダードタイプと比べて細くて軽量なので、柔らかく曲げやすくて狭い空間でも取り回しやすいです。 |
巻き取りタイプ | 巻き取りタイプのLanケーブルは、ケーブルを巻き取って小さくまとめることができるので、携帯性に優れています。 |
フラットタイプ | 平たくて薄いLanケーブルは、厚みがないので床に這わせたり、家具の裏側、カーペット、ドアの下などへ配線するのに向いています。 |
オフィスに最適な有線Lanケーブルの選び方として長さも重要です。Lanケーブルは100m以上の長さのものもあり、オフィスの面積やレイアウトに合わせて、相応しい長さのLanケーブルを選定することが大切です。
オフィスによっては、配線したLanケーブルの長さが足りなくて困るケースもあるでしょう。長さが足りない場合は、中継アダプターを使用して配線の延長ができますので心配いりません。
しかしながら、Lanケーブルが長すぎると配線をまとめるのが大変だったり、足に引っ掛けやすくなったり、インターネットの通信速度の低下を招いたりする恐れがあるので、安直に延長させるのはやめましょう。
パソコンやルーターなどの周辺機器に、有線Lanケーブルを接続する時のコネクタの接続タイプに、注意した方が良いでしょう。コネクタは、差し込む箇所のツメが折れにくいように仕上げているものや、隣接するコネクタに当たらないようにサイズが小さいタイプもあります。
コネクタのツメが折れてしまうと、パソコンやルーターなどの周辺機器に、有線Lanケーブルが上手く差し込められず接触不良の原因になるので、あらかじめツメ折れ防止カバー付きのコネクタを購入していると安心できます。有線Lanケーブルを繋げる時は、パソコンや周辺機器の電源をオフにした状態で接続するようにしましょう。
ここまでで、LANケーブルの選び方のポイントをお伝えしてきました。さらに、快適なネットワーク環境を整えるためにも、LANケーブルにどのような機能があるのか理解しておきましょう。LANケーブルの機能・スペックを解説していきます。
内側にシールド加工を施しているSTPタイプよりも、さらにノイズの悪影響を抑える効果があるLANケーブルが二重シールドタイプです。ペアシールドの効果により、混線・漏話・混信などのエイリアンクロストークノイズにも対応しており、高速かつ安定した通信を可能にします。
LANケーブルの内側をシールドで保護しており、ノイズの影響を受けにくいものがSTPタイプです。インターネット環境が混線しやすい場合に用いるのがおすすめです。
STPタイプのLANケーブルは一般家庭ではあまり使われていません。主にノイズ対策が必要となる工場、研究施設、オフィスなどに適しています。
シールド加工が施されていないLANケーブルがUTPタイプです。主に一般家庭やオフィスなどで使われており、シールドによる保護が無いためノイズ対策には適していません。現在は、Cat6までのLANケーブルの多くがUTPタイプになっています。
PoE対応製品に外部からの電力供給を必要としないLANケーブルがPoE対応タイプです。PoEとは「Power over Ethernet」の略語です。PoE対応タイプのLANケーブルを活用すれば、新たに電源ケーブルを準備する必要がなくPoE対応製品を稼働できます。
パソコンなどのデバイスに付いてるLANポートに、LANケーブルのコネクタを頻繁に抜き挿しする場合は、爪折れ防止タイプが安心です。コネクタを抜き挿しする場合、LANケーブルを折り曲げたりツメが折れたりする恐れがあります。折り曲げの影響による通信障害や、コネクタの爪折れによる着脱不良を防ぐために、屈曲性や耐久性に強い素材を使っています。
抗菌タイプのLANケーブルは、抗菌加工が施されているため細菌の増殖を抑えることができます。ネットワークの利用環境に細菌を持ち込みたくない場合や、医療施設などでの利用に適しています。
LANケーブルは外部から負荷がかかると断線する恐れがあります。例えば、ペットがLANケーブルに噛み付いたり、人や物で踏んだりなどです。金属外皮タイプのLANケーブルは、上記のような外部からの負荷に強く耐久性に優れています。
有線Lanケーブルは「規格・種類・形状・長さ・接続タイプ」などが様々あるので、オフィス環境やデバイスの使用環境に合ったものを選びます。
またLANケーブルを使用してルーターとパソコンやiPadなどのデバイスを接続することで、無線LANのように電波状態の影響を受けずに済みます。
無線LANによる接続方式よりも通信速度の安定性に優れているのが特徴です。
自社に最適なネットワーク環境を構築して、通信速度を最大限に活用するためには適切なLANケーブル選びが重要です。LANケーブルをオフィスに導入する時は、規格・種類・形状・長さ・接続タイプなどを考慮して適切なものを選ぶようにしましょう。
オフィスワークを円滑に行うためにも、有線LANケーブルの通信規格以外も気にして、生産性の向上や業務効率化を図りましょう。