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デジタル化が進む現在、予約システムやクラウド型電子カルテを導入しているクリニックもあるでしょう。医療施設において、医療機器や医療システムの利用で業務効率や利便性を高めるために、ネットワーク構築は必要不可欠です。ただしネットワーク環境はオフライン環境よりもセキュリティリスクが高まります。
インターネットを利用することで、様々なトラブルやセキュリティ事故の被害を受ける恐れがあるため、危険性を把握しセキュリティ対策の徹底が必要です。クリニックや病院、薬局などでは、患者さんの医療保険の確認が求められますが、令和5年4月からオンライン資格確認が原則義務化になっており、医療施設のネットワーク構築は欠かせないものになっていくでしょう。
この記事では、クリニックでネットワーク構築の5つの課題や、電子カルテ導入の危険性とセキュリティ対策などについて解説していきます。
目次
ネットワーク環境を整えているクリニックは、医療機器や医療システムの運用保守、医療情報や個人情報の管理、クラウド型電子カルテ情報の管理などを日常業務で行うので、セキュリティ事故に気を付けなければいけません。
例えば、患者さんの個人情報の漏えいや、悪意のある第三者による不正アクセス、ネットワークの不具合など、様々なセキュリティリスクがあります。オンライン上でのセキュリティリスクやトラブルに見舞われる確率は、オフライン環境下よりも確実に高くなるでしょう。
本章では、クリニックでネットワーク構築における5つの課題をお伝えしていきます。
Wi-Fiを使用しているクリニックは、院内の場所によって電波の強度が変わる場合があるため、医療機器や医療システムの反応が鈍くなる恐れがあります。考えられる原因は色々ありますが、例えば、Wi-Fi電波を遮る物を部屋に置いていたり、Wi-Fiルーターの設置場所の関係だったりです。
電波の強度が弱くなって医療機器や医療システムが正常に動かなくなると、業務に影響を及ぼします。クリニックでネットワーク構築する際は、Wi-Fi電波の強度に注意しましょう。
クリニックでは患者さんの本名・生年月日などプロフィールや連絡先、治療歴や病歴など多くの個人情報を管理しています。個人情報は患者さんにとって大切な情報なので、情報漏えいさせないようにする必要があります。
クリニックで取り扱う医療機関データや医療情報も、ネットワーク構築でオンライン化により常に情報漏えいの脅威に晒されているため、適切な管理が必要です。医療情報や個人情報を漏えいさせないために、例えば通信データを暗号化したり、アクセス権限を付与した者にしか閲覧できないようにしたりなど、強固なセキュリティ対策が必要です。
クリニックを含め病院などの医療機関で電子カルテの導入が増えています。電子カルテは院内にサーバを設置して、オフラインで利用するオンプレミス型と、ネットワーク構築によりオンライン化するクラウド型があります。
ネットワークに接続するクラウド型電子カルテの方が、セキュリティリスクは高くなるため注意が必要です。アクセス権限を付与した者にしか閲覧できないようにするなどのセキュリティ強化が必要です。
クリニックのネットワーク構築は、オンライン環境で医療機器や医療システムを日常業務で使うため、不具合やセキュリティ事故が起こる可能性があります。
医療現場では患者さんの容態の急変や悪化に迅速に対応する必要があるため、時間勝負になることが少なくありません。業務効率化を図り患者さんに対して、最適かつ安心安全な医療の提供が求められるので、医療機器や医療システムの徹底した運用保守・管理体制が重要です。
ネットワークを介して、医療機器や医療システムを稼働させることで、コンピュータウイルスや第三者の不正侵入など、様々なサイバー攻撃による被害を受ける恐れがあります。サイバー攻撃による被害は、医療機器や医療システムの安定性を著しく低下させたり、医療情報や個人情報が流出したりする危険性があるため、クリニックの信用失墜に繋がるでしょう。
クリニックでネットワーク構築した際は、完全にセキュリティリスクをゼロにすることは不可能です。セキュリティが不十分にならないように、セキュリティ対策を強化し、安全性を高めて様々なリスクを軽減させることが大切です。
医療施設の電子カルテ導入は厚生労働省の主導により、2030年までに完全義務化となっており、電子カルテ情報の適切な管理が求められる時代がすぐ側まで来ています。
電子カルテは現在の段階で、導入が必要な医療施設の全てで使われているわけではないため、普及率は100%にはなっていません。主に大きな病院が導入している状況ですが、将来的にクリニックでもレセプト作成の電子化の対応が求められるはずです。
ネットワーク構築により、クラウド型電子カルテを導入した場合、サイバー攻撃や情報漏えいなどのセキュリティリスクに備えて、強固なセキュリティ対策が必要です。
クリニックでネットワークを介してクラウド型電子カルテを使用する場合、サイバー攻撃や情報漏えいを防ぐために、ファイアウォールやセキュリティソフトを導入して、セキュリティ対策を行うことが大切です。さらに、セキュリティ対策のソフトウェアの定期的なアップデートを行い、最新バージョンにしていれば、よりセキュリティリスクを減らせます。
また、オンラインによるセキュリティ対策だけではなく、オフライン環境でも電子カルテを利用できるようにしておくことが、セキュリティ事故の被害を軽減させるために重要です。オフライン環境でもデータを一時的に自社サーバーに保管できる仕組みの構築、データを独立させて保管するなどの対策です。万が一、電子カルテに不具合やセキュリティ被害が起きても、業務への支障を最小限に抑えられるでしょう。
クリニックのネットワーク構築により、オンライン上で医療システムや医療機器を取り扱えるようにすると、サイバー攻撃や情報漏えいなど、様々なセキュリティリスクの懸念が生まれます。
インターネットを利用すると、業務効率化が図れて情報の管理がしやすくなりますが、同時にセキュリティ事故による被害を受けたり、不具合が起きたりするリスクが高くなるため、セキュリティ対策は欠かせません。お伝えしてきたネットワーク構築における課題を参考にして、セキュリティ対策を強化し安全性を高めていきましょう。