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有線LANを使って社内ネットワークを構築しているものの、セキュリティ対策について理解できていない方もいるのではないでしょうか。
有線LANは無線LANに比べて比較的安全性が高いとは言え、セキュリティ対策をしていなければ、情報漏洩やサーバーダウンなどのリスクは避けられません。セキュリティは、ネットワークやインターネットを使う上で最も重要な項目となるため、必ず対策が必要です。
本記事では、有線LANを使用するメリット・デメリット、無線LANとの主な違いや有効なセキュリティ対策、そして構築の仕方まで網羅的に解説します。
社内のネットワークを有線LANにしようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
社内ネットワークやインターネットを使用する際、具体的に取るべき対策を考えるためにも、まずはどのようなリスクが潜在しているかを理解することが重要です。社内LANに潜むセキュリティリスクには、主に以下の5つがあります。
それぞれのリスクを簡単に解説します。
社内ネットワークにインターネットを介して侵入された場合には、ネットワーク上にあるファイルの情報が改ざんされる可能性があります。
ネットワーク上にあるデータはサーバーに保存されていることが多く、その内容を改ざんされてファイルが開けなくなったり、ウィルスを仕込まれたりします。
たとえ、データを端末に保存していても、ネットワークを介して端末にも侵入できるため、まずは侵入させないようなセキュリティ対策が必須です。
情報改ざんと同様に、ネットワーク上に侵入されて、社員の個人情報や顧客の情報が全て抜き取られて情報が漏えいするリスクがあります。
ネットワーク上にある個人情報もサーバー上に保存されているため、侵入されると簡単に情報は漏えいします。
個人情報が漏えいすると、賠償責任の発生や会社の信用が落ちる可能性があります。
なりすましは、顧客や業者になりすましてメールを送信し、そこからウィルスに感染させる攻撃方法です。
メール上にある不正なファイルを開いてしまうと、開いた端末だけでなく、ネットワークもウィルスに感染するリスクがあります。
ウィルスに感染して、情報を抜き取ったり、ファイルを暗号化して開けなくしたりと、一度感染してしまうと復旧に莫大なコストがかかります。
インターネットに接続して社内ネットワークを使用すると、一度に大量のアクセスを集中させて、サーバーをダウンさせる攻撃を受ける可能性があります。
DoS攻撃やDDoS攻撃とも呼ばれていて、複数の端末からサーバーにアクセスを許すことでサーバーがパンクしてしまい、ネットワークが使用できなくなります。
ネットワークが使用できないと、サービスの提供や仕事に支障が出るため、大きな損害となります。
インターネットを使用したリスクは、自社以外にも影響を及ぼす攻撃もあり得ます。
自社のネットワークを踏み台にして、親企業であったり、他社のサーバーへ侵入する攻撃も考えられます。
セキュリティ対策を怠ると、自社だけでなく、関係のある企業まで巻き込む可能性があるため、セキュリティの強化は最重要です。
有線LANを使用するメリットは主に以下の3点です。
詳しく見ていきましょう。
有線LANのメリットとして最も大きな点は、通信速度が安定していることです。
有線LANは物理的なケーブルを通じてデータを送受信するため、無線LANと比較して干渉や障害の影響を受けにくく、一貫した高速通信が可能です。
大量のデータ転送やビデオ会議といった用途においても、途切れることなくスムーズに作業を行うことができます。
特に、企業や教育機関などの大規模なネットワーク環境では、安定した通信速度が業務の効率化に直結するため、有線LANの導入が推奨されます。
有線LANのもう一つの大きなメリットは、容量の大きいデータの送受信が可能である点です。
有線接続は高帯域幅のため、大規模なファイルや重要なデータベースのバックアップ、高解像度のビデオコンテンツなどの転送が、より迅速かつ効率的に行えます。
この特性は、映画制作会社やデザインスタジオ、研究施設など、大容量のデータを日常的に扱う場合には特に重視すべき点と言えるでしょう。
有線LANは設定が容易であり、セキュリティ面でも比較的安全な選択肢です。
無線LANと違って物理的に接続を行うため、ネットワークの初期設定や管理が直感的でわかりやすく、専門的な知識がない人でも基本的な設定を行うことができるでしょう。
また、有線LANのセキュリティは無線LANに比べて優れています。
なぜなら、有線ネットワークへのアクセスには物理的な接続が必要であり、外部からの不正アクセスが困難であるためです。さらに、データの流れもケーブル内に限定されるため、盗聴やデータの傍受がほぼ不可能となります。
企業での利用など、機密情報を扱う場合には、このようなセキュリティの高さは無線LANに比べて魅力的と言えるでしょう。
有線LANには、当然ながら避けられないデメリットも存在します。デメリットは主に以下の3点です。
これは無線LANの設置でも言えることですが、初期設置コストについては十分に検討しなくてはなりません。設置環境や業者にもよりますが、一般的にかかる費用は以下が目安です。
基本的には、無線LANの方が安く収まることが多いので、初期費用は有線LANの方が高額になるかもしれません。
ネットワークを構築するためには、適切なケーブルの選定と配線、ネットワークスイッチやルーター、さらにはサーバー機器などのハードウェアが必要となります。
これらの機器に加えて、専門的な技術を持った人材による工事が必要となるため、その人件費もコストに含まれます。
これらの初期投資は、特に小規模な企業やスタートアップにとって大きな負担となる可能性があるので、ネットワークの計画段階で慎重なコスト見積もりと予算配分が必要となるでしょう。
有線LANのもう一つのデメリットは、柔軟性に欠ける点です。
有線LANはケーブルを物理的に配線する必要があるため、一度設置するとそのレイアウトを変更することが難しくなります。
例えば、オフィスのレイアウトを変更したい場合や、新しいデスクを設置したい場合、追加のケーブル配線や設備の調整が必要となり、これには再びコストと労力がかかります。また、将来的な拡張やオフィスの移転の際にも、有線LANの場合は大がかりな作業を伴うことがあるでしょう。
特に成長途中の企業や頻繁に物理的な変更が必要な環境での利用には不便をもたらす可能性があります。
当然ですが、有線LANの設置には物理的損傷のリスクを伴います。
ケーブルが床を這うように配線されている場合、日常の業務中にケーブルが踏まれたり、オフィスの家具によって圧迫されたりすることがあるでしょう。こういった衝撃により、ケーブルの外装が損傷を受けたり、内部の配線が断線する恐れがあります。
また、オフィス内の改装や移動に伴い、誤ってケーブルを切断してしまう事故が発生する可能性も少なくありません。
さらに、地震や水害といった自然災害が発生した際には、配線が直接的なダメージを受けることも考えられ、ネットワーク全体の機能停止につながることがあります。
無線LANでは、本体以外の物理的損傷のリスクがないので、有線LANを使う際にはこの点に注意しなくてはなりません。
有線LANと無線LANは、それぞれが異なるメリット・デメリットを持っており、使用環境や必要性によって、適切な選択肢は変わってきます。主な違いについては、以下の表をご覧ください。
特徴 | 有線LAN | 無線LAN |
接続の種類 | 物理ケーブル | 無線信号 |
通信速度 | 高速 | 中速〜高速(環境に依存) |
安定性 | 高い | 中〜低(干渉に依存) |
設置コスト | 高い(ケーブル、機器) | 比較的低い(機器のみ) |
柔軟性 | 低い | 高い |
セキュリティ | 高い | 中〜低 |
有線LANは物理的なケーブルを使用してデバイスをネットワークに接続します。
これにより、非常に高速で安定した通信が可能となり、干渉や信号の減衰が少ないため、データの大量転送や遅延が大きな問題となるアプリケーションなどの利用に適しています。
しかし、ケーブルの設置にはコストがかかり、物理的な変更が困難であるため、柔軟性に欠ける点はデメリットと言えるでしょう。
セキュリティ面では、物理的な接続が必要なため、外部からの不正アクセスのリスクが低くなるメリットがあります。
一方、無線LANは無線信号を使用してデバイスをネットワークに接続します。
設置が容易で、物理的なケーブルが不要なため、場所を選ばずに拡張が可能です。
これにより高い柔軟性を実現していますが、無線信号は物理的障害物や他の無線の干渉により影響を受けやすく、セキュリティも有線LANに比べて脆弱です。
速度も一般的に有線接続より遅くなりやすい傾向があります。
総合すると、安全性と速度が重視される場合は有線LANが、設置の柔軟性とコスト削減が求められる場合は無線LANが適していると言えます。
ネットワークを使用するリスクを知ったことで、セキュリティ対策の重要性もお分かりいただけたのではないでしょうか。
しかし、有線LANを使用していても、ネットワークを介した攻撃は起こり得るため、具体的なセキュリティ対策を紹介します。
有線LANのセキュリティ対策は主に以下の3点です。
それぞれの対策を簡単に紹介します。
最も一般的なセキュリティ対策がウィルス対策ソフトの導入です。
ネットワークに接続する端末にウィルス対策ソフトを導入することで、不正アクセスを防止したり、定期的に端末内のファイルをチェックしてくれたりします。
端末がウィルスに感染してしまうと、ネットワークを介して他の端末にも広がるため、ウィルス対策ソフトは非常に有効なセキュリティ対策です。
有線LANを使用するためには、LANルーターが必要です。
LANルーターの中には、セキュリティ対策が施された製品もあるため、ルーターを選定する際には、価格だけでなくセキュリティの高さにも注目して選定しましょう。
ルーターから端末へ接続するため、セキュリティの高いルーターを選べば、端末と通信する前に不正アクセスを防止できる可能性は高まります。
直接的なセキュリティ対策ではありませんが、セキュリティポリシーを策定し、社員に遵守させる取り組みは効果のあるセキュリティ対策の一つです。
インターネットやネットワークを利用する上では、常に不正アクセスや攻撃の対象となることを社員が理解して、対策を教育しておくことで、人的ミスを防げます。
そのためにも、理解しやすいセキュリティポリシーを策定し、遵守させるような取り組みが必要となるでしょう。
ここでは、実際に有線LANを構築する方法を紹介します。以下の手順に沿うことで安全に有線LANの構築ができるので、ぜひ参考にしてみてください。
有線LANの構築を始めるにあたり、まずはネットワーク計画の作成が非常に重要です。
この段階で将来的なニーズを見越して、必要な帯域幅、ネットワークの規模、そして接続されるデバイスの数を詳細に検討してみてください。
また、オフィスや施設のレイアウトに基づいて、ケーブルをどのように配線するか、スイッチやルーターなどのネットワーク機器をどこに設置するかの計画も立てるのが良いでしょう。
この計画段階では、セキュリティ対策やバックアップ戦略も考慮に入れることが重要で、将来の拡張や変更に柔軟に対応できるようにするため、余裕を持たせた設計が求められます。
しっかりと計画を立てることで、後の設置作業がスムーズに進み、時間やコストの節約にもつながります。
有線LANを構築する際の次のステップは、必要なネットワーク機器の選定です。
ルーター、スイッチ、ハブ、および必要に応じてファイアウォールやその他のセキュリティデバイスを選びましょう。
各デバイスはネットワークの特定のニーズに対応するために選ばれるため、選定過程ではデータ転送速度、処理能力、セキュリティ機能などのスペックが重要な判断基準となります。
例えば、高速のデータ処理が求められる場合には、ギガビットスイッチが適しています。
また、ネットワークの規模に応じて、適切なポート数を持つスイッチやルーターを選ぶ必要があり、大規模なオフィスでは複数のスイッチやルーターを組み合わせることが一般的です。
加えて、将来的な拡張の余地も考慮することが望ましいです。
この工程では、事前に計画されたルートに沿って、ネットワークケーブルを安全かつ効率的に配線します。
主に使用されるケーブルの種類には、イーサネットケーブル(CAT5e、CAT6、CAT6aなど)があり、それぞれのケーブルは伝送速度や帯域幅、耐ノイズ性の違いがあります。
敷設作業には、ケーブルを壁内や床下、天井裏など、見えない場所に配線する方法が取られることが多いです。
この作業には専門的な技術と慎重な取り扱いが必要となるので、必要に応じて専門業者に依頼するのが良いでしょう。
また、将来のメンテナンスや拡張を容易にするために、ケーブルの経路や接続点を明確に記録しておくことが推奨されます。
このステップでは、選定されたネットワーク機器、例えばルーター、スイッチ、ハブなどを適切な場所に配置し、それぞれのデバイスを物理的に接続します。
機器の設置には、機器の過熱を防ぎ、性能を最大限に保持するためにも、通気性を確保し、熱が適切に逃げられる環境を整えることが必要です。
機器が設置された後は、各デバイスをイーサネットケーブルで互いに接続し、最終的には中央のルーターやスイッチに接続して全体のネットワークが形成されます。
この工程が正確に完了すると、ネットワークは稼働準備が整い、最後にシステムの構成とテストを行って、利用できるようになります。
有線LAN構築の最終段階として、ネットワークの設定と構成が行われます。
各ネットワーク機器に対して適切なソフトウェア設定を施し、デバイス間での通信が効率的に行われるようにします。
まず、ルーターやスイッチにIPアドレスを割り当て、必要に応じてサブネットマスクやデフォルトゲートウェイの設定を行いましょう。
また、セキュリティを確保するために、ファイアウォールの設定やネットワークアクセスポリシーを適用することも重要です。
さらに、ネットワークの性能を最適化するために、トラフィックのルーティングやQoS(Quality of Service)の設定を調整することもあります。これにより、ビデオ会議などの帯域幅を多く必要とするアプリケーションのスムーズな稼働が可能です。
また、ネットワーク内でのデバイス管理を容易にするために、一般的にDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバーを設置して、接続されるデバイスに自動的にIPアドレスを割り当てます。
ネットワーク構築の最後の段階であるテストとトラブルシューティングは、システムが適切に機能しているかを確認し、問題があれば修正するために非常に重要です。
初めにネットワーク全体のパフォーマンステストを行い、データの送受信速度、接続の安定性、さらにはセキュリティプロトコルが正しく機能しているかを検証しましょう。
もしテスト中に接続の途切れや速度の遅延、その他の技術的な問題が発見された場合、トラブルシューティングが必要となります。
問題の原因を特定するために、一般的にケーブル接続の確認、機器の設定の再確認、ネットワーク機器の再起動などを行います。
必要に応じて、ネットワークの構成を調整し、パフォーマンスを改善するための追加の設定変更も実施しましょう。
ここまで終われば、安全にネットワークが利用できるようになります。
ネットワークを構築した後の定期的なメンテナンスは、性能を維持し、未然に問題を防ぐために必要不可欠です。メンテナンスで行うべきことには、ソフトウェアの更新、ハードウェアの検査、セキュリティの監査などが含まれます。
まず、運用中のネットワーク機器のファームウェアや管理ソフトウェアを最新の状態に保つことで、セキュリティの脆弱性を修正し、機能改善を図ることができます。
また、物理的なケーブルの接続やネットワーク機器の状態を定期的にチェックし、劣化や損傷がある場合は修理や交換を行いましょう。
セキュリティ面では、ネットワークを定期的にスキャンして不正アクセスの試みや異常なトラフィックパターンを検出し、セキュリティポリシーの更新が必要です。
さらに、ネットワークのパフォーマンスをチェックし、帯域幅の消費が予想以上に高い場合は原因を究明し、対応策を講じることも重要です。
セキュリティ対策は、自社だけでも対応できますが、より安全でセキュリティの高いネットワークを構築したいのであれば、専門業者に依頼することをおすすめします。
セキュリティの高い機器を用いるだけでなく、対策方法などの助言も得られるため、よりセキュリティが強いネットワークを構築できます。
ASIA NETでも、有線LANを用いたセキュリティの高いネットワークを構築するお手伝いが可能です。セキュリティが高いだけでなく、安定して快適な通信を行えるようなネットワークを構築します。
気になる方は、お問い合わせページからご連絡ください。ご相談だけでも承っております。
有線LANは無線LANと比べると、セキュリティが高いと言われていますが、対策が不要なわけではありません。
インターネットやネットワークの使用は、常に不正アクセスやサイバー攻撃と隣り合わせであることは理解しておかなければなりません。有線LANのセキュリティ対策には、ウィルス対策ソフトやセキュリティポリシーの策定があります。
社内だけでも取り組めるセキュリティ対策ですので、一つずつクリアして、安全なネットワークを構築しましょう。
さらにセキュリティの高いネットワークを構築したいのであれば、専門業者に依頼してください。ASIA NETでも、安全で快適なネットワークを構築するお手伝いをしているので、ぜひ一度お問い合わせください。
セキュリティを高めて、より安全で快適なネットワークを安心して使用できる環境を作りましょう。