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VPNとは、Virtual Private Network(バーチャル・プライベート・ネットワーク)の略称で、社内メンバーだけが利用できるように制限した専用のネットワークのことです。
リモートワークが一般的に普及してきたことによって、社内ネットワーク環境の整備や見直しを検討している企業は多いかと思います。
VPNを利用することでオフィス内で構築されたネットワークのように、社内での共有はスムーズにできながら、セキュリティの高いネットワークを利用することができます。
ではどのようなVPNを導入すればよいか?ですが、VPNにはいくつかの種類があり、自社の企業規模やはたらき方にあったVPNを選ぶ必要があります。
今回は、リモートワーク時代に社内ネットワークとして活躍するVPNの基礎知識と、メリットについて解説していきます。
目次
VPNとはVirtual Private Networkの略称で、仮想プライベートネットワークという特定の人・社内の人間だけが使用できる専用のネットワークをいいます。外部からの攻撃によってデータが盗難・改ざんされるリスクを防ぐために使われます。
本社や各支店とVPNでネットワークを共有することで、離れた拠点間でファイルを共有したり、本社のストレージを利用することができます。
さらにリモートワークや出張で社内にいることができないスタッフも手持ちのノートパソコンから社内インターネットに接続できるようになり、セキュリティ管理がしやすくもなります。
インターネット上でのデータの取り扱いについてはネットリテラシーが叫ばれているため「うちは特段大丈夫では?」と感じるかもしれません。
しかし、このようなデータもあります。
2021年に上場企業とその子会社で個人情報の漏えい・紛失事故を公表したのは120社、事故件数は137件、漏えいした個人情報は574万9,773人分に達した。2012年以降の10年間で、社数と事故件数はそろって最多を記録した。
~中略~
深刻化する不正アクセスなどのサイバー攻撃による事故は、2021年は66社で、事故件数は68件発生した。社数・事故件数ともに3年連続で最多を更新した。
引用:上場企業の個人情報漏えい・紛失事故は、調査開始以来最多の137件 574万人分(2021年)|東京商工リサーチ
1年の間で574万人分もの顧客データが漏洩・紛失しており、過去9年間で流出した個人情報は1億人分を超えていると公表されています。
これまでは社内のネットワークセキュリティを強化していれば、社員の使用する情報は守られると考えられていました。しかし、リモートでデータのやり取りがインターネットを介して行われるのが当たり前になった今、外部からの攻撃は受けやすくなっています。
そこでVPNは、おもにインターネット回線のセキュリティ向上を目的として利用されます。
安全なインターネット通信を可能にするVPNには、主に4つの種類があります。導入を検討する際には、まずこの4種類の中から、どのVPNが適切かを判断しなければなりません。ここでは、4つのVPNの仕組みについて紹介します。
既存のインターネット上に仮想の専用線を設け、IPsecという暗号化技術を用いて安全性が高く、かつ回線維持コストを抑えて構築できるのがインターネットVPNです。VPN機器をインターネットに接続するだけで構築できるので、比較的簡単に導入できます。
しかし、インターネットを利用するため、VPNを使っているといえども不正アクセスのリスクは消えません。
各拠点にVPN機器やIPアドレスの契約が必要です。
エントリーVPNはインターネットVPNと同じ回線を使用していますが、インターネットではなく通信事業者が提供するIP網上に仮想の専用線を設けている点が違います。
インターネットを使用しないためインターネットVPNよりも安全性は高くなりますが、回線は安価なブロードバンド回線のままであるため、そこまで回線の品質は良くないです。
「エントリーVPNを導入するくらいなら、IP-VPNや広域イーサネットを検討しよう」とよく言われます。
IP-VPNとは、通信事業者が提供するIP網の中でも、MPLS(MultiProtocol Label Switching)網を利用したVPNです。MPLSはマルチプロトコルラベルスイッチングといい、ラベルと呼ばれる識別情報を使ってデータ転送を行うことで、高速通信が可能となります。
専用線やMPLSを使っていることでコストは必然的に高くなりますが、安定したネットワーク通信やセキュリティが担保されているため、自社構築が難しい企業におすすめです。
IP-VPNよりも自社にあったネットワークシステムにカスタマイズすることができる広域イーサネットは、IP網やアクセス回線などの基本的な構築に違いはありません。しかし、より複雑なVPNを構築するために違うスイッチが使われていることで、ネットワークの重要度が高い企業や、IP以外のプロトコルを使用している企業に利用されています。
前章のようにVPNには4つの種類があり、会社規模や必要な性能によって必要なVPNは異なります。
では、自社に適したVPNを導入することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。VPN導入においてよく言われている3つのメリットを紹介します。
VPNはトンネリングという技術や通信情報の暗号化などを利用して、安全な通信環境を確保しています。セキュリティを意識した構造になっているため、自宅でのリモートワークや出張先などの離れた場所から社内ネットワークにアクセスしても、外部からの攻撃から安全にデータを利用することができます。
遠隔地から社内ネットワークを安全に利用可能で、働き方改革やコロナウイルスの影響によって政府から推奨されている、リモートワークを意識した社内ネットワークが構成できます。VPNであれば、パソコンからはもちろん、タブレットやスマートフォンからもアクセスが可能です。
会社にとってインターネットの構築は必要不可欠ですが、無線Wi-Fiだと通信が弱く、有線LANだけだとセキュリティに問題があり、専用線を利用したネットワーク構築は非常にコストのかかるものです。
しかし、VPNによる仮想プライベートネットワークが構築できるようになれば専用線は必要なく、コストが抑えられたことで支店や中小企業でも社内ネットワークが構築できるようになります。
セキュリティが高く簡単に導入できるように見えるVPNですが、会社に導入するには3点の注意点もあります。それぞれの内容を理解して、導入検討に進みましょう。
VPNがいくらセキュリティ対策のされている機能であるとしても、完全に情報漏洩のリスクを克服しているとは言い切れません。特にインターネットVPNは一般のインターネットを使用しているため、セキュリティレベルはそれなりに低いです。
公衆回線を利用するインターネットVPNでは、一度に大人数で使用したりビッグデータをダウンロードしてしまうと、通信速度が下がったり接続が不安定になることもあります。エントリーVPN以上では事業者のIP網やMPLS網を使用するため、遅延は発生しづらいです。
VPNの導入までには少なくとも数ヶ月〜1年ほどの期間が必要です。VPNを導入する際は、機器などを準備するだけではなく、構築や運用ルールの制定などの準備も必要なため、VPNの導入までには少なくとも数ヶ月〜1年ほどの期間が必要です。実用までにはある程度の期間がかかってしまうという事は覚えておきましょう。
VPNを実際に社内へ採用するには、専門業者によるコンサルティングや施工が必要不可欠です。
VPNは接続する拠点の数や用途、接続方法の違いにより構成や設定が異なることから、専門知識を持ったエンジニアがいないと導入は難しいでしょう。
また、VPNの種類によって安全性や導入方法も異なることや、VPN製品にはさまざまな種類やサービス、利用形態があるので、自社にあった方法のVPN、製品を検討しましょう。気になるVPNがある場合は、資料請求をして比較検討していくことをおすすめします。
以上のことから、自社での構築は専門担当者が必要になったり、運用におけるアドバイスなしには適切な利用が難しいため、導入から運用まで一貫して専門業者に依頼するのが一般的です。
今回は社内ネットワークでVPNを活用するための基礎知識やさまざまな利点について解説しました。社外や離れた複数の拠点でも社内ネットワークへ安全に接続できるVPNですが、リモートワークの急増と共に導入を検討している方も多いかと思います。しかし、導入には専門知識が不可欠で、導入後の運用、メンテナンスなどのことも考えるとやはり業者に依頼するのがスムーズでオススメでしょう。
VPNの導入をご検討でしたらアジアネットにお任せください。ネットワークサービスのプリフェッショナルである弊社スタッフが、VPNの構築・運用・保守から問題発生時の対処まで一貫して担当いたします。